「現代のベートーベン」と称され、「両耳の聞こえない作曲家」として知られていた佐村河内守氏(50)のゴーストライター問題で、同氏が12日未明、直筆の文書で「3年くらい前から言葉が聞き取れる時もあるまで回復していました」と明らかにした。

 同問題では、桐朋学園大非常勤講師新垣隆氏(43)が18年前から佐村河内氏のゴーストライターをしていたことを6日の会見で明かし、佐村河内氏の聴覚をめぐっては「耳が聞こえないと感じたことはない」としていた。

 佐村河内氏の文書では、取得していた聴覚障害2級の身体障害者手帳について「専門家の検査を受けていい」とし、2級でないと判定されれば手帳は返納するとの意思を示した。

 また「本当に多くの人たちを裏切り、傷つけてしまったことを、心から深くおわびします」と謝罪した。

 佐村河内氏は自伝で「35歳のとき、私は全聾(ろう)になった」とし02年に手帳の交付を受けたことを明らかにしている。メディアの取材の際などは手話通訳者が同席していた。