【釜山(韓国)21日=松本久】歌手山本譲二(64)に師事し、日本で活動する韓国人歌手パク・ジュニョン(32)が、故郷釜山で日本人ファン約150人をもてなした。「ファン感謝ツアー」と題し、釜山空港で出迎え、食事を共にし、ショーを実施。「いつもは『おもてなし』をしてもらっているので、故郷で逆におもてなしをしたかったんです」と声を弾ませた。

 きっかけは、昨年3月リリースのシングル「チャラ」で、全国47都道府県を回ったプロモーションだった。今年1月の沖縄で完走したが、パク自身が「締めくくりに釜山でイベントをやりたい」と発想し、実現にこぎ着けた。そして、東京、大阪、名古屋、福岡の4地域から到着したファン1人1人をハグ。食事の際も席を回ってスキンシップを重ねた。ショーでは、新曲「嘆きの雨」など7曲を歌唱。全員とツーショットに納まった。愛称の「ジェニー!」の声援が飛び交う会場には父親も訪れ、息子を温かく見守っていた。

 かつてダンスやロックを志向していたパクは、02年に男性グループで韓国デビュー。ヒットに恵まれず、解散、別のグループを結成、解散と迷走する中、山本と知り合い、11年春に来日。山本の事務所で働きながら修業を重ね、12年3月7日、「愛・ケセラセラ」で日本デビューを飾った。2年の月日が流れ、望んで実現した故郷でのイベントだけに「少しだけ日韓の懸け橋になれたかな。譲二アボジ(父親)にもよい報告ができます」。そこには、日韓友好の小さなともしびがあった。

 ◆パク・ジュニョン

 1982年3月12日、韓国・釜山生まれ。東日本大震災の直後には、街頭募金で約35万円集めて寄付した。趣味は料理。177センチ、60キロ。血液型A。