【ポリニャーノ・ア・マーレ(イタリア)23日=波平千種通信員】歌手宇多田ヒカル(31)が、イタリア人のフランチェスコ・カリアーノ氏(23)と結婚式、披露宴を行った。超厳戒態勢だったが、白のウエディングドレスに身を包んだ宇多田の顔からは笑みがこぼれた。

 式は、海に面したリゾート地、ポリニャーノ・ア・マーレ市のサンタ・マリア・アッスンタ教会で行われた。午後0時20分(日本時間午後7時20分)、取材陣約20人、地元住民約300人が待ち受ける中、宇多田を乗せた黒いワゴン車が教会前に横付けされた。瞬間、10人のガードマンが、白い日傘で宇多田を覆い隠した。ドレスの裾すら見えないほどの完全ガードだったが、隙間から宇多田の笑顔が垣間見えた。

 午後2時に式が終わると、ライスシャワーが施され、白いハトが放たれ、住民も喜んだ。しかし、夫妻が教会を出る際、再び傘ガードが始まると、「何でそこまで」とブーイングも起こった。オープン気質なイタリア南部の人々には、理解不能な状況だが、宇多田は結婚発表間もない今年2月10日、「結婚式はショーではないということをどうかご理解ください」と呼び掛けており、招待客のカメラ持ち込みは禁止に。同市のドメニコ・ビット市長(44)も「オフィシャルカメラマンがいるので、写真は撮らないでくれと言われたよ」と明かした。

 披露宴は教会から約15キロ離れ、新郎の故郷ファサーノ市にあるサンロレンツォ修道院で行われた。壁の上には緑色の目隠しが張られ、警備員がズラリ。ここでも徹底ガードだった。

 宇多田は昨年、ロンドンに滞在中、ホテルでバーテンダーとして働いているカリアーノ氏と知り合い、再婚を決意。昨年8月に死去した母の藤圭子さん(享年62)にも伝えていた。