俳優山本太郎が、37歳の誕生日を迎えた24日、欧州へ向けて出発した。86年4月に原発事故が発生したウクライナのチェルノブイリと事故の影響を受けた隣国ベラルーシ、脱原発運動が盛んなドイツを取材し原発事故の傷痕、世界の原発問題をリアルに描くドキュメンタリーを撮影することが目的だ。山本は自ら監督として、映画製作し、それを携え全国行脚するプランを明かした。

 山本は「日本の未来を見に行く。見ずして今はないのかなと思う」と語った。25年前の事故が後にどういう影響を及ぼしたのか。3月11日の東日本大震災による、福島第1原発の事故発生以降、山本はチェルノブイリが日本の未来を示すテストケースだと訴えてきた。チェルノブイリ周辺が今、どういう状態かを克明に記録することで、将来日本が進むべき道を示す考えだ。

 地上波のテレビ局で番組化の動きもあったが、渡航までに具体化しなかった。「自分のお金で行って、流したくなるいいものを作ればいい」。渡航費、宿泊費、食費を自腹で払い、ディレクターを同行させることにした。「元が取れ、少し(利益が)出れば。ギャラくらい払ってあげたい」と苦笑いした。

 放送してくれる局もなければ当てもない。そこで考えたのが映画化だ。

 山本

 全国公開して、全国回って話をすれば(脱原発の)輪も広がりますよね。有効かもしれない。

 脱原発運動の中でも、役者として演じたいという思いは強い。オダギリジョーとチャン・ドンゴンがダブル主演する映画「マイウェイ

 12000キロの真実」(カン・ジェギュ監督、12年1月14日公開)で野田曹長を演じているが、カン監督から「社会運動が大事なのは分かるが、才能があるから仕事してほしい」と心配された。それでも「チェルノブイリの、ありのままから学びたい。先々のマイウェイのためにも見ておく必要がある」と語った。【村上幸将】