タレントで女優の安田美沙子(31)が、映画「いのちのコール~ミセス

 インガを知っていますか~」(蛯原やすゆき監督、初夏公開)に子宮頸(けい)がん患者役で主演することが17日、分かった。余命半年ながら映画化に動き、志半ばの12年4月に亡くなった渡辺真弓さん(享年56)が企画。安田は「女性として責任も感じました。子宮頸(けい)がんについて考えるきっかけになってもらえたらうれしい」と語った。

 1人の女性が命をかけて伝えたかった思いを、安田が再現する。企画の渡辺さんは東映撮影所の制作室スクリプター(記録)、コピーライターを経てオリジナル書籍の企画・制作会社を経営したが、09年に子宮頸(けい)がんで余命半年と診断された。

 病気と闘いながら、検診の大切さと生きることの素晴らしさを伝えたいと映画化に奔走。11年に小池和洋プロデューサーに企画を持ち込んだが、12年7月のクランクインを見ることなく同4月3日に死去。ひそかに1人娘につづった手記には「できればあなたの花嫁姿を見て、あなたの子供も抱いてみたかった」とつづられていた。

 子宮頸(けい)がんは、安田にとっても人ごとではない。年間約3500人が亡くなり、特に20~30代の若い女性の罹患(りかん)率が高い病といわれ、「最初にお話をいただいた時、取り組むことは意義があると感じました」と安田は言う。子宮頸(けい)がん研究の第一人者、横浜市立大医学部の宮城悦子准教授から、患者の日常や歩き方に至るまで助言を受け「体験談などもリサーチして取り組みました」と体当たりで演じたという。

 同作には、安田のほか室井滋、山口賢貴、国広富之らが出演する。

 ◆「いのちのコール~ミセス

 インガを知っていますか~」

 私立女子高の教師・河原たまき(安田)は、結婚式を目前に控えたある日、下腹部に強烈な痛みを感じ、結婚相手の大島高志(山口)と行った病院で子宮頸(けい)がんと診断される。子宮と卵巣の全摘を宣告され、結婚を辞めようかと泣くたまきを高志は励ますが、2年後、2人は別居。たまきは飼い猫の名前「インガ」を名乗り、FM局の生放送中に、DJマユミ(室井)に自殺をほのめかす電話をかける。