モントリオール世界映画祭授賞式が1日(日本時間2日)、カナダで行われ、綾野剛(32)主演「そこのみにて光輝く」の呉美保監督(37)は、最優秀監督賞を受賞した。

 「そこのみにて光輝く」で最優秀監督賞を受賞した呉監督は、天国の原作者、佐藤泰志さんに感謝した。芥川賞に5度もノミネートされた作家だったが、89年に自らこの世を去った。「約25年前に書かれた小説が映画に変わって、佐藤さんが(受賞で)報われたような気がして胸がいっぱい」。北海道・函館を舞台に、自堕落に生きる男(綾野剛)と、社会の底辺で生きる女(池脇千鶴)の出会いを描いた。日本関連の同賞受賞は、97年の市川準監督、09年の根岸吉太郎監督に次いで3人目。作品の舞台となった函館の工藤寿樹市長は「受賞を誇りに思う」と喜んだ。