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第20回 日刊スポーツ映画大賞・石原裕次郎賞


助演女優賞

樹木 希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」

助演女優賞に決まった樹木希林
助演女優賞に決まった樹木希林

 樹木希林(64)は「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」のオカン役で日本中を泣かせ、助演女優賞を受賞した。

 映画、ドラマ、CMと活躍し続けているベテランだが「賞」の経験はそれほど多くない。今回の受賞の感想を聞くと、小6時の水泳大会で1年生ばかりの参加者に交じり、体1つ大きな樹木がプールを歩く競走に出場して1等になった思い出話が出てきた。ひとしきり笑った後、樹木は「小さな子たちに交じるなんて、周りは恥ずかしいんでしょうけど、私はちっとも恥ずかしくないの。その時から『競わない』と思ったの」と言った。ちなみに受賞の感想を聞いたら「やだなーと思ったんですけど、助演と聞いて気楽になりました」。

 競わず、見えも張らない。ただし、自分への見えは張るときっぱり言った。以前は現場で納得できないことがあれば主張し、衝突し、その勢いは「作品をだめにするまでやってしまった」ほどだったという。昔に比べれば、1歩引いている部分があるようだが、良いものにしたいという気持ちは変わらない。「東京タワー-」にしても、思い返せば、いろんなことが「まさに忸怩(じくじ)たる思い」として噴き出してくるという。

 選考会では、樹木の存在が「余人をもって替え難い」と評された。「サイドカーに犬」でも、ワンシーンで強烈な印象を残した。樹木は「『余人をもって替え難い』っていい表現ね。こんな存在、なかなかいないでしょ。全員が分からなくていいの。1人か2人に伝わればいいっていうね。私、このポジション大好き」と笑った。自分では「代表作がない」と言うが、存在するだけで場をさらう、そんな女優はそういない。【小林千穂】

 [2007年12月5日 紙面から]

樹木希林(きき・きりん)
 本名・内田啓子。1943年(昭18)1月15日、東京都生まれ。61年、文学座研究生になる。当時の芸名は悠木千帆。64年、ドラマ「七人の孫」で東北弁のお手伝い、おとしさんを演じて注目され「時間ですよ」「寺内貫太郎一家」などに出演。77年、現名に改名。映画、ドラマ、CMなどで活躍。73年、歌手内田裕也と結婚。来年は是枝裕和監督の「歩いても 歩いても」に出演。
「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
 当時3歳のボク(オダギリジョー)は、真夜中に帰ってきた酔っぱらいのオトン(小林薫)に焼き鳥のくしを食べさせられる。オトンに手を焼いたオカン(樹木希林)はボクを実家に連れ帰り、女手一つでボクを育て始めた。松岡錠司監督。
助演女優賞・選考経過
 樹木希林と、「めがね」のもたいまさこに評価が集まった。もたいは「存在感があるベテラン」(斉藤氏)「助演らしい演技は素晴らしい」(渡辺氏)などと支持されたが、「コミカルな部分もあったし、全体的に抑えているところが逆によかった」(福島氏)という樹木が2回目の投票で選出。
作品賞&監督賞 「それでもボクはやってない」 周防正行監督
主演男優賞 木村拓哉「武士の一分」
主演女優賞 竹内結子「サイドカーに犬」
助演男優賞 笹野高史「武士の一分」
助演女優賞 樹木希林「東京タワー オカンとボクと、時々、オトン」
新人賞 新垣結衣「ワルボロ」「恋空」
外国作品賞 「硫黄島からの手紙」ワーナー・ブラザース
石原裕次郎賞 「武士の一分」山田洋次監督
石原裕次郎新人賞 該当者なし
ファン大賞 「HERO」「パイレーツ・オブ・カリビアン ワールドエンド」
功労賞 北野武監督、鈴木京香


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