東京都の小池百合子知事が就任後、初めて臨んだ都議会定例会は13日、知事給与半額の条例などを可決し、閉会した。小池氏は本会議後、正副議長や各会派にあいさつに出向いたが、就任初日に冷たい対応に終始した議長や自民党会派は、こぞって「雪解け」をアピール、対照的な笑顔で小池氏の訪問を受け入れた。

 就任あいさつで、写真撮影を拒否した川井重勇議長は、自ら小池氏に握手を求め、笑顔で写真に納まった。一方、就任あいさつの際、総務会長しか対応しなかった都議会自民党では、高木啓幹事長以下30人近い議員が並び、小池氏を迎えた。「緊張する中でも、皆さんに鍛えていただいた」と述べた小池氏に、高木氏は代表質問で触れた保護猫の写真までプレゼント。ただ、「ドン」内田茂氏は最後まで姿を見せなかった。

 先月28日、都議会は小池氏との対決ムードで始まったが、小池氏は主導権を渡さず、議会が豊洲市場の盛り土問題を見抜けなかった経緯もあり、「今、対決するのは得策ではない」(自民党関係者)と、自民党も歩み寄りに転じた。小池氏は「初めての議会を無事に終えることができた。ご提案した議案、条例もすべて賛成していただき、ホッとしています」。来夏に都議選も控え、都議会は当面、小池氏ペースを見守るしかなさそうだ。【中山知子】