今月24日、初めて実施されるプレミアムフライデー。毎月最終金曜日は、午後3時には仕事を終え、余暇を楽しもうという取り組みだ。政府、経済界が立ち上げたプレミアムフライデー事務局によると、参加企業・団体は、当日までに2000件を超すという。外食、旅行を中心に消費を狙ったサービス業、働き方改革の一環として従業員に“半ドン”をすすめる企業と、思惑もいろいろだ。新たな消費と余暇を生む画期的な施策となるか、関係者に話を聞いた。

 プレミアムフライデーの前哨戦はすでに始まっている。1カ月前にあたる1月27日には、既に参加を表明している企業が、次々とプレ企画を実施した。居酒屋チェーン「串カツ田中」も、そのひとつだ。タイトルは「フライングフライデー」。広報担当の川島もなみさんは、「揚げ物(フライ)、1カ月前のフライング、フライデー(金曜日)、3つのフライです」と命名理由を明かした。国内136店全店で午後3時から特別メニューの提供と、主力商品の割引を実施。「お客様の評判も上々」と笑顔で答えた。本番の今月も特別メニューなどの企画を検討中だという。

 外食と並んで積極的なのが旅行代理業、百貨店だ。JTBは「働き方を変える!」をテーマに、24日から1泊2日の企業向けプラン「プレミアムトリップ」を設定した。同社広報によると「社内のコミュニケーションを活性化させるために企画した」。企業全体が限られた時間の中で、どう業務効率化や生産性向上を図るかを考えるきっかけになれば、という。ただの「社員旅行」ではなく、プランには、他企業との交流もできるスポーツ体験なども含まれる。「本商品が働き方改革の一助になれば」と期待している。

 三越伊勢丹は「体験型」で勝負する。性別や年齢問わず人気の食関連のイベントに加え、女性向けにはフラワーデザインのパフォーマンスや、靴・バッグのお手入れサービスなどを企画。本番前には、目移りするほど大量の企画がそろう勢いだ。【小松正明】

 ◆プレミアムフライデー 毎月末の金曜日の仕事を早く終え「豊かな体験を」してもらい、消費を喚起しようというイベント。政府と経済界が考案。百貨店や飲食店には、単なる安売りではない商品やサービスの提供、企業には休暇を取りやすくするよう促す。週末に旅行へ出掛けてもらい、地方への波及効果や働き方改革にもつなげる狙い。