東日本大震災から7年となった3月、森友学園の国有地売却をめぐる問題が、あってはならない方向に動き始めた。財務省による決裁文書改ざんや、近畿財務局職員の自殺。財務省は説明責任を果たせておらず、27日の佐川宣寿・前国税庁長官の証人喚問でも真相解明できるか、不透明だ。幕引きを急いでいた安倍政権には大打撃。安倍晋三首相の自民党総裁3選も、見通せなくなってきた。永田町が、先行き不透明という名の春霞(かすみ)に包まれた、今月の言葉から-。
デスクA 今月は森友問題一色。財務省が14件の決裁文書改ざんを認めた。
記者A 財務省は8日に「現時点でこれがすべて」と、改ざん後の文書を国会に提出。その後、改ざん前の文書提出に追い込まれた。最悪の展開でした。
記者B 佐川氏の国税庁長官辞任会見を取材しましたが、改ざんと近畿財務局職員の自殺の関連性を問われ「どなたがお亡くなりになったかも承知していません」。部下への言葉かと。
記者C 太田充理財局長にもスポットライトが当たった。自民党の和田政宗参院議員の「安倍政権をおとしめるため意図的に変な答弁をしているのか」と攻撃され「いくら何でも、いくら何でもご容赦ください!」と吐きすてた。のらりくらり答弁が多いだけに、怒りの激しさが分かった。
デスクB 麻生財務相もさすがに「軽蔑する」と批判した。自民党の「自爆」で安倍1強の弊害。首相しか見ていないから、マイナスになると気付かない。
記者A 財務省も批判されるべきだが、自民党の危機感のなさは、逆に危機感を感じる。小泉進次郎氏は、証人喚問が必要と訴えた自身の発言が報じられ、「なぜニュースになるのか分からない」と。こちらは当然との受け止めです。
記者D アッキーが登場していなければ、こんな展開にはなっていない。問題の渦中にあってもフェイスブックを更新し、パーティー出席が話題に。「鈍感力」が高いのかもしれない。
記者E 愛知・東海市の講演では「過去を後悔したり反省するが、先に起きることを恐れたりしない」。考えた上か、天然なのか。自民党が国会に出したくないのも分かる気がします。
記者B 23日に籠池泰典被告と接見した野党議員には、決裁文書から消えた夫人の「いい土地ですから、前に進めてください」との発言は「確かにあった」と証言。今後、夫人の喚問を求める声は国民からも強まるだろう。首相の責任論も拡大してくるはずです。
デスクB 東日本大震災から7年の月でもあった。
記者C 大川小遺族の佐藤和隆さんを取材しました。印象的だったのは「最高裁まで覚悟はしているよ」という言葉。親族を事故や事件で亡くした遺族は、自分の命が果てるまで戦い抜く覚悟だとあらためて感じました。大川小では教員も10人亡くなり、裁判自体に批判もある。それでも息子が生きた意味を「学校防災、津波防災の教訓として残したい」と聞きました。
デスクC 将棋の藤井クンは4冠確定。この1年、かなり稼いだのでは?
記者E 棋士は個人事業主で、確定申告します。竜王戦にあと2勝すれば七段。今後、収入はケタ違いの世界に入る気がします。
デスクB 4月から高校生。学校の方は大丈夫かな。
記者E 羽生2冠も最初は全日制に通いましたが、出席日数が足りなくなり定時制高校に転校し、卒業したほど。藤井六段への注目は当時の羽生2冠を上回る。強さだけでなく、高校生活も彼にとっては未知のものになるかもしれません。
【政治】
▼枝野幸男・立憲民主党代表(53)
「あれは働き方改革ではなく、働かせ方改革だ」
1日 厚労省のデータ不備問題が原因で、安倍政権肝いりの働き方改革法案への裁量労働制盛り込み断念。
▼佐川宣寿・前国税庁長官(60)
「国民に対し、一生懸命やってきたと思う」
9日 国税庁長官辞任会見で、「一生懸命だったのは国民にか、安倍政権に対してかか」と問われて。
▼小泉進次郎・自民党筆頭副幹事長(36)
「自民党は、官僚だけに責任を押しつける政党ではない。その姿を見せる必要があるのではないか」
12日 森友問題に対する自民党の姿勢を問われて。
▼小泉純一郎元首相(76)
「あきれた。判断力がおかしくなっている。なぜああいう答弁ができるのか」
13日 BS番組で、佐川の国税庁長官起用理由を「適材適所」と主張した、首相や麻生氏を疑問視。
▼自民党の村上誠一郎元行革担当相(65)
「出発点はすべて首相のお友達優遇だ」
同 森友問題で首相の責任論に公然と言及。
▼田中真紀子元外相(74)
「首相は4月に米国に行くようだ。その時間があるなら森友・加計、財政再建(の説明)をやればいい」。
15日 日本外国特派員協会で外交による「もりかけ隠し」戦略をバッサリ。
▼麻生太郎財務相(77)
「やかましいなあ」
16日 財務省文書改ざんをめぐるヤジに。
▼前川喜平・前文科事務次官(63)
「前代未聞」
21日 自身の講演をめぐり、名古屋市教育委に報告と録音データの提供を求めるメールを送った古巣の文科省に対して。
▼自民党の池田佳隆衆院議員(51)
「信念に従い、問い合わせた。それがすべて」
23日 前川氏の問題で、文科省の質問状を事前に見て、意見を伝えた理由を。現場への「圧力」批判拡大。
【社会】
▼船戸雄大容疑者(33)
「言うことを聞かないので、風呂場で殴った」
3日 5歳の長女結愛ちゃんに暴行し、傷害の疑いで警視庁に逮捕。結愛ちゃんは死亡。実子ではなく、体にはあざがあり。虐待は長期にわたったとみられる。
▼東京都狛江市の高橋都彦市長(66)
「九州男児で、献杯、返杯は文化と思っている」
5日 市の女性職員らに対するセクハラが大問題に。自身が口をつけたコップで飲むよう強要したとされることを珍釈明。
▼釜石市ラグビーW杯推進室、佐々木智輝(ともあき)さん(40)
「ここに来るたびに、少しずつ完成が近づいていると感じる」
10日 来年秋のラグビーW杯開催を控えて。スタジアムの工事は2月末時点で87・4%が完了した。
▼埼玉県朝霞市の中1少女誘拐監禁事件で被害に遭った少女の両親
「もっと厳しい判決を出してほしかった」
12日 寺内樺風被告に、懲役9年の判決。求刑の15年を大きく下回る量刑に。
▼元SEALDs(シールズ)の奥田愛基(あき)さん
「安倍昭恵さん、国会で洗いざらい話して下さい」
18日 市民連合主催の街頭演説で。
▼高橋シズヱさん(71)
「法に従って粛々とやってほしい」
20日 13人が死亡、6000人以上が重軽傷を負ったオウム真理教による地下鉄サリン事件から23年。夫・一正さんを亡くしたシズヱさんは霞ケ関駅で黙とう。13人の確定死刑囚のうち、7人が東京拘置所から移送されたことを受けて。
【国際】
▼アリーナ・ザギトワ(15)
「マサルと名付けます。日本語で勝利の意味です」
3日 平昌(ピョンチャン)五輪の女子フィギュア金メダリスト。希望した秋田犬の贈呈決定に笑顔で。
▼金正恩・朝鮮労働党委員長
「これからは早朝に慌てないでいいですよ」
5日 韓国側特使との夕食会でミサイル発射“凍結”を明言。4月末の南北首脳会談開催で合意。
▼トランプ米大統領(71)
「よし、会おう」
8日 史上初の米朝首脳会談に応じると即答。しかし、本当に実現できるのか。
▼ティラーソン米国務長官(66)
「ワシントンは意地悪な町かもしれないが、好きこのんでその一員にならなくてもいい」
22日 トランプ政権重要閣僚が突然の解任で退任会見。トランプ氏との路線対立が一因で、恨み節漏らす。石油大手、エクソンモービルの最高経営責任者まで務めた大物だが、解任の一報はトランプ氏のツイッターという手軽さだった。