NGT48の運営会社AKSが、元メンバー山口真帆(23)への暴行容疑で逮捕され不起訴となった男性2人に損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が10日、新潟地裁(篠原礼裁判長)で開かれた。

同地裁では最も広い、2号館第101号法廷で開かれ、一般傍聴席47席を求めて、150人がリストバンド式の抽選券を手にした。倍率は3・2倍だった。

この日の口頭弁論は、午後1時29分に開廷し、同32分に閉廷した。被告側は弁護士を含めて出席しなかったが、請求の棄却を求めており、争う構えを示した。

口頭弁論後、取材に応じたAKSの顧問弁護士で、原告側の遠藤和宏弁護士は、今回の損害賠償請求について「被害による請求ということもあるが、額の問題ではなく、真相解明に向けて進めていきたい。もっと言うと、真相解明をメンバーの方々や、親族の方々が求めている。そういった思いを会社も受けて、原因を究明して再発防止につなげたいという目的のために裁判を粛々と進めていきたい」。また男性2人は不起訴処分になったことについても「(不起訴の)理由も会社としては分かっていない状況で、真相や原因を究明したい」とした。

今後の裁判についても、公開での弁論を希望しており「白日の下に晒(さら)される中でやりたいということ。最終的な判断は裁判所にお任せします」。訴状作成において、山口本人と接触しているかについては「裁判上、申し上げられません」としたが、山口を含めたメンバーの出廷については「可能性としてはあると思う。個人のご意志もありますから、そういったことを尊重しながら慎重に進めていくとしか言えない」とした。

訴状によると、NGTファンの男性2人は昨年12月8日、新潟市内の山口の自宅前で、山口の顔をつかむなど暴行。その後、今年1月に山口が事件を明らかにして以降、劇場公演の中止や予定していたホールツアーの中止、広告打ち切りなどによる損失、メンバーの自宅警備費用などにかかった計1億円余りのうち3000万円を請求している。

次回は9月20日に進行協議が行われる。