大阪市を廃止して4特別区を新設する「大阪都構想」の賛否を問う2度目の住民投票が12日、告示された。前回の住民投票では僅差で否決され、維新の創始者、橋下徹氏が政界引退に追い込まれた。今回、橋下氏の盟友松井一郎大阪市長(56)が反対多数なら政界引退を明言。新型コロナウイルス対策で一躍、全国区になった吉村洋文知事(45)の人気で当初は勢いもあったが、直近の調査では反対派が急追している。投開票は11月1日。

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主要野党の多くは都構想に反対だ。れいわ新選組の山本太郎代表は、大阪・ミナミの道頓堀でゲリラ街宣を行い、難波の金融道「ミナミの帝王」で主人公萬田銀次郎の舎弟、新庄公平役で出演していた経緯から「萬田さんなら『大阪市を4分割するんはアカン!』と言うはずですわ」と訴えた。市役所前では共産党が「(都構想は)百害あって一利なし」と訴えた。立憲民主党も繁華街・新世界に辻元清美副代表ら30人が集まり、批判を展開した。

◆大阪都構想 府知事と市長を務めた橋下徹氏が10年に提唱。政令指定都市の大阪市を廃止して東京23区と同様の特別区に再編する構想。成長戦略など広域行政を大阪府に一元化し、特別区が住民サービスを担う。賛成多数なら大阪市は25年1月1日に廃止される。政令指定都市が廃止されれば1956年の制度創設以来、初めて。今回の住民投票は「淀川」「北」「中央」「天王寺」の4特別区への再編案が対象。府の名称は維持され、「大阪都」への変更には法整備が必要。