土生がハブになる!?

 ドラフト4位土生翔平外野手(22=早大)が今日31日、1軍キャンプ地の沖縄に向かう。明日2月1日から始まるプロ初キャンプを前に「沖縄は暖かいから良いですね。生き残りたい」。最初の獲物は、同じ右投げ左打ち外野手でライバルになる丸佳浩外野手(22)に絞った。真面目な“主将キャラ”の皮を脱ぎ、土生が丸を丸のみする。

 土生が“ハブ魂”で生き残る。広島・廿日市市の大野練習場での合同自主トレを打ち上げ、すぐさま沖縄モードに突入。「暖かいし、室内では出来ない遠投も出来る。打球の伸びや質も確認したい」と語った。

 沖縄の観光目玉と言えば「ハブショー」だが、「動物愛護及び管理に関する法律の改正」で、数年前から天敵マングースとの対決ではなく生態観察に変わった。沖縄市営球場から車で約30分の距離にある琉球村の担当者は「8割方マングースが勝つが、ハブも簡単にはやられずに巻き付いて逆襲する」と逆転劇を懐かしむほど。「見てみたかった」という土生にとっては残念な形だ。

 しかし、「ハブショー」生観戦で闘争心をゲットする計画は消滅しても、グラウンドでの対決はなくならない。すでに食らいつくためのキバを磨いた。ドラフト後に都内の歯医者で金歯を5本装着。虫歯治療で銀歯予定も、歯科医から「銀歯だともろいので、野球選手なら金歯にした方がよい」という助言を受け、プロ仕様にしていた。

 最初の獲物に絞ったのは丸だ。同年齢で同タイプの外野手。この日、外野手の要である広瀬の打撃に魅了され「まだまだ話しかけられないですよ」と控えめだったが、ライバルについては態度を一変。「丸は同い年だからね。負けられない」と言い放った。

 早大でも主将を担うなど主将キャラの印象が強いが、ハブ酒の話題に「お酒は好きだし、試してみたいですね」と舌をチロリ。広陵高時代の恩師・中井監督は「主将イメージをプロで拭い去りたいんじゃないかな。すごい世界に入ったが、心の強さで勝ち抜いて欲しい」と、07年夏甲子園準Vに導いた主将像の脱皮に期待する。

 「外野手は最終的には打撃が重要。沖縄で生き残る」。まずは丸をグイッと丸のみにする。【佐藤貴洋】