1月3日に長野県内で追突事故を起こしたことが判明し、現在は休場している十両の大砂嵐(25=大嶽)が、長野県警に「自分が運転していた」などと述べ、容疑を認めていたことが23日、捜査関係者への話で分かった。日本相撲協会では内規で現役力士の運転を禁止しており、事故が判明した後の協会の聴取に対し、夫人が運転していたと否定していた。虚偽の報告をしていたことになる上に、県警は有効な運転免許証を所持していなかったとみて、道交法違反(無免許運転)の疑いで近く書類送検する方針だと併せて分かった。

 事故は協会にも師匠の大嶽親方(元十両大竜)にも報告されておらず、ともに21日に知ったという。そこで免許を持っていないことと、夫人が運転していたと報告を受けた春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は、大砂嵐の話をもとに「身重の奥さんをかばおうと運転席に移った」と説明していた。一方で当初から無免許運転との一部報道もあり、協会は事故判明の翌22日には、説明を求めて県警に連絡を入れていた。

 大砂嵐は事故判明の翌日から休場しており、処分などは初場所終了後としていた。だが捜査関係者への取材では、防犯カメラなどの映像でも、本人が運転していたことが確認できたという。相撲界は元横綱日馬富士関の暴行事件、立行司式守伊之助のセクハラ行為と不祥事が相次ぎ、それぞれ厳しい処分が出た。その流れだと今回、大砂嵐は禁じられている運転をした上、無免許で書類送検される見通し。さらに協会に対して虚偽の報告をしたことになり、解雇などの厳しい処分は避けられそうにない。