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2003/10/24
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6年待たせた超B級映画
「キル・ビル」(米)
このケッサクな無国籍活劇を地球上で最も楽しめるのは、我々日本人だろう。世界中の映画ファンを6年も待たせたクエンティン・タランティーノ監督の新作だ。主な舞台は日本。隠れた主役は日本刀。キメぜりふは日本語だ。それに、挿入歌を歌うのは梶芽衣子アネェだぜ。
例えばこんなシーンがある。
「おきなわ」とプリントされた怪しげなTシャツを着たスラリ金髪殺し屋ユマ・サーマン(「パルプ・フィクション」でトラボルタとダンスしていた麻薬女)が、これまた怪しげなおすし屋さんののれんを「どうも〜」と言いながらくぐると、カウンターの向こうで千葉真一がニコニコしている。まずそうな赤身を握る千葉。実は彼こそが「影の軍団」の服部半蔵、伝説の刀鍛冶だった…。このシチュエーションだけで、拙者、笑いが止まりませぬ。
例えばこんなシーンもある。
トーキョーの闇組織のボスになったオリエンタル美女ルーシー・リュー(「チャーリーズエンジェル」で一番控えめだった人ですね)が日本の親分衆を集め襲名披露。その中に1人だけ異議を唱える親分がいた。そこでリュー、日本語で言う。「ハラニイチモツオアリノヨウデスネ」。彼女は完ぺきな日本語と思っているが、イントネーションが変だ。カタコトだ。ハッキリ言って爆笑だ。逆に、それがいい。気迫がこもってるから感情がビシビシ。日本人も見習わなくてはなるまい。英語がヘタクソでも気迫だけで世界に飛び出せるんだぞ。
もちろん、この作品の正しい見方は他にある。首が手が足が目玉が血が飛ぶ。スタイリッシュなセットにオタク心をくすぐるカメラワーク。お得意の時間軸が交錯する構成。心躍るまっとうな超B級映画だ。惜しむらくは完結しないこと。実は今回は前編。後編は来年公開予定とのこと。ま、6年も待たされたのだから、たった1年で次作が見られると感謝しなきゃね。
(このコラムの更新は毎週土曜日です)
【高田博之】
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