【第42回】
集団参加と個別面談でサポート
公的相談窓口
横浜市の青少年相談センターは、青少年のためのユニークな相談施設だ。総合的な相談を受けているがメーンになっているのはひきこもりの問題だ。
施設内には5つの面接室のほか、談話室、遊戯室、工作室、グループ指導室、図書室などがある。「ひきこもりから脱する時に必要なのは、安心して参加できる集団と、集団の中で受けた刺激や経験を個人的に話せる関係を保障すること」と話すのは、相談員としての経験も長い清水孝教副所長だ。バスケット、バレーボールなどのスポーツや陶芸や調理実習などを行う年間のグループ活動のほか、専門の講師を招いて4〜10回のシリーズで行うマジック、洋菓子づくり、合気道、コーラスなどのサークル活動、キャンプ、親子宿泊研修、OB会など多彩なメニューが用意されている。
「初めにお子さんが相談に来ることは非常に少ないですね。まず親御さんの気持ちを相談員がじっくり聞きます。親御さんの気持ちに余裕が出ると、お子さんが変化してくることが多い。もし本人がOKすれば、自宅訪問やセンターに来てもらい、面談を重ねます」。ここで信頼関係ができたら、センター内を見学してもらい、興味のあるプログラムに参加を促すという方法をとる。
「数年前、高校を中退してひきこもっていた子供がいました。コーラスサークルで1からコーラスの練習をするうちに上達し、自作の歌を人前で歌うまでになりました。現在では大学で学園生活をエンジョイしています」。もちろんすべてがこのように順調に進むわけではない。「ひきこもりの子供たちは、過去にいじめなどの体験を持つ子も多く、深い心の傷を抱えている場合が多いので、対応にも慎重さが必要です」と話す。
「心のリハビリ」のためには「自分が安心していることができるグループ」に参加すること。そして集団の中でのその人の状況を把握した相談員や臨床心理士などの専門職が、集団で過ごす時の悩みや戸惑いを丁寧な面談で受け止め、手厚いサポートを長期に保障することが必要だ。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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