【第147回】
突然死に結びつくことも
不整脈(上)
心臓病の中では、生活習慣と大きくかかわっている狭心症や心筋梗塞(こうそく)が増えているが、それと同様に心臓の拍動に乱れが生じる不整脈も増えている。脳梗塞や突然死に結びつく危険な不整脈もあるので、適切な対応が必要となる。
健康な人では心臓は常にリズミカルに拍動を続け、1日平均10万回拍動し、8トンを超える血液を全身に送り出している。このリズミカルな拍動は電気信号で起きている。その発信源は−。「右心房の上部にある洞(どう)結節から発せられます。安静時には1分間に70回前後の信号が発せられ、それが心臓内を伝わり、両心房から房室結節を経て心室へと順序よく伝わり収縮するのです」と、葉山ハートセンター(神奈川県葉山町)不整脈センターの佐竹修太郎センター長(60)は説明する。
この心臓内を伝わる電気の流れに乱れが生じるのが不整脈で、大きく分けると、脈が遅くなる「徐脈性不整脈」と、脈が速くなる「頻脈性不整脈」がある。
徐脈性不整脈には「洞不全症候群」と「房室ブロック」がある。「洞結節を発電所、房室結節以下を送電線と思ってください。異常の原因が発電所にあるのが洞不全症候群。発電能力が遺伝や加齢に伴って低下するのです。一方、送電線に原因があるのが房室ブロック。送電線が切れると心室が動かなくなり脈拍がでなくなります」。どちらも死に直結する致死的不整脈。
一方、頻脈性不整脈には「期外収縮」「頻拍」「粗動」「細動」がある。この中で最も軽いのが期外収縮だが、「まれに期外収縮が引き金となって心房頻拍、心房拍動、心房細動、心室細動を引き起こすことがあるので注意が必要です」。
細動は拍動が1分間に400回前後となり、心房細動、心室細動がある。心房頻拍、心房粗動や心房細動では、脈拍が1分間に150〜250前後になり、強い動悸(どうき)を感じる。心室細動では心臓の有効な収縮力は失われるので、血圧は限りなく0に近づく。「心房細動は心不全を生じ、心房内に血栓が形成されるとこれが遊離して、脳梗塞を起こし半身不随となることがあります」。
心室細動は不整脈の最高峰で、電気ショックですぐに発作を止めないと“突然死”に結びついてしまう。
【ジャーナリスト 松井宏夫】
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