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2005/01/08付紙面より
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代理人で変わる人生
大阪本社編集局運動セクション 横田和幸記者
日本サッカー界はオフシーズン真っ最中だが、この時期の話題といえば年俸や移籍交渉か。最近はそんな行事に欠かせないのが、代理人の存在だ。
選手が契約を結べば、年俸や移籍交渉を代行してくれる。ここ数年で代理人と契約する選手数は、クラブによっては保有選手の3割を占めている。
96年末、当時J1京都のクラブ事務所で目を疑う珍事が起きた。
元日本代表のA選手の年俸交渉日だったが、彼はジャージー姿、ゴルフ道具のパターを持参してきた。事務所に来る前にゴルフショップで購入してきた、とご機嫌だった。
プロ野球も同じだが契約交渉は正装が常識。それだけでも目を疑ったが、いざ交渉の部屋に入ると、彼は年俸大幅減を提示されて頭に血が上ったという。暴言を連発して退席した。結局は1年後に、解雇通告を受けた。
彼に代理人がいたとすれば、こんな失態は起きなかっただろう。
最近の代理人は、人生のアドバイザー的な色合いが強い。年俸増を図り、国内外の移籍を強力な人脈で手助けするのが基本だが、今では資産管理、節税、社会貢献、CMの仕事までアドバイスする芸能マネジャー的な人もいれば、一方で解雇されそうな選手への救済活動が主目的の代理人もいる。選手は目標や置かれた状況に応じて、契約先を選ぶ。
G大阪FW大黒将志は2年前に、代理人と契約を結んだ。それまで年俸交渉でクラブと主張が食い違い続けた。交渉時の心が乱れていく自分が分かる。東京の代理人事務所に自らが足を運んだ。
神戸FW播戸竜二は99年末、当時はG大阪に在籍していたが、国内外に移籍する場合の知識、交渉能力を身につけようとベテラン代理人に、無名の自分への協力を頼んだ。
この2人は昨年、日本人得点ランク1、2位を独占した。交渉を専門家に委託したことで、右肩上がりの成績を残せたのは偶然ではない。
2年前に大分に在籍したFW小島宏美は、公私のリズムが乱れてシーズン途中で解雇通告を受けた。もう引退するつもりが、代理人から説教を食らった。裸一貫で出直せという内容だった。自分の親同然の愛情に、小島は神戸で生まれ変わった。
すべての代理人を肯定するわけではないが、記者が取材で知る限り、有力と称される人は、選手を決して甘やかさない。プレーの質が低下した際には厳しく指摘し、時には私生活に踏み込んだ話し合いも行われる。だから記者は「代理人は選手の人生のパートナー」と言い切る。代理人との年間契約料は、選手の基本給の1割が相場で、主力だと数百万円になる。高いか、安いかは個人の価値判断に任せるとして、今後、さらにその契約率が高くなるのは間違いない。
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横田和幸(よこた・かずゆき)
大阪府出身。91年大阪本社入社。93年からJリーグ中心に一般スポーツ担当。98年W杯フランス大会取材。最近はプロレス界にも進出、遊軍として活動。次なる目標はコブクロ(歌手)の原稿を書くこと。36歳。
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