日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。

何と言っても注目は先場所、110年ぶりの新入幕優勝という快挙を成し遂げた尊富士(25=伊勢ケ浜)。東前頭17枚目から関取衆では最多の番付11枚アップで、東前頭6枚目の位置につけた。番付編成上は上位総当たりではないが、先場所同様の快進撃を続ければ上位との対戦が楽しみだ。

最も三役に近い東前頭筆頭には熱海富士(21=伊勢ケ浜)が、自己最高位として就いた。西前頭筆頭だった今年1月の初場所は6勝9敗と負け越して逃しただけに、是が非でも勝ち越して新三役の座をモノにしたいところだ。大関候補と期待された大栄翔(30=追手風)は8場所ぶりの平幕陥落で、西の筆頭から出直しを図る。東西の前頭2枚目も、ともに自己最高位で東が平戸海(24=境川)、西が豪ノ山(26=武隈)。ともに新三役を目指す。

うれしい新入幕を2人の気鋭が果たした。西前頭14枚目の欧勝馬(27=鳴戸)は、鳴戸部屋からは現師匠(元大関琴欧洲)の部屋創設後では、初めての幕内力士誕生となった。モンゴル出身では22年秋場所の水戸龍以来、29人目の幕内力士輩出で、外国出身では昨年九州場所の狼雅以来、戦後54人目となった。もう一人の時疾風(27=時津風)は、時津風部屋からは17年夏場所の豊山以来の幕内力士誕生で、宮城県出身では97年春場所の五城楼以来、戦後8人目。東農大からは豊山以来、10人目の幕内力士輩出となった。

なお再入幕は3人で水戸龍(30=錦戸)は1年ぶり、友風(29=二所ノ関)は2場所ぶり、宝富士(37=伊勢ケ浜)も1場所での幕内返り咲きとなった。

長らく幕内の土俵を務めたベテラン力士2人が、十両陥落となった。西十両筆頭の妙義龍(37=境川)は18年初場所以来、東十両3枚目の遠藤(33=追手風)は16年春場所以来となる、十両の土俵から幕内返り咲きを目指す。

既に発表されている十両昇進力士は4人で、関取の座を初めてつかんだ新十両は3人。東十両12枚目の阿武剋(23=阿武松)は、阿武松部屋からは昨年名古屋場所の勇磨以来の関取誕生で、モンゴル出身では昨年春場所の玉正鳳以来38人目、外国出身では昨年名古屋場所の獅司以来、74人目の新十両。日体大からは昨年秋場所の高橋(現白熊)・朝紅龍・大の里以来、15人目の輩出となった。

東十両14枚目の塚原改め栃大海(24=春日野)は、春日野部屋からは、22年秋場所の栃武蔵以来の新十両で、埼玉県からはその栃武蔵以来、戦後22人目。西十両14枚目の風賢央(24=押尾川)は、押尾川部屋からは現師匠(元関脇豪風)が部屋創設後では初めての関取誕生。愛媛県出身では95年春場所の玉春日以来、戦後12人目。中大出身では栃武蔵以来12人目の新十両となった。

千代丸(33=九重)は1場所での十両復帰。また、宮城野部屋から伊勢ケ浜部屋に転籍した伯桜鵬(20)は西十両8枚目から再入幕を目指す。

大相撲夏場所は、5月10日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。12日の初日を迎える。