キッス逆転へムチ2発で11秒9/オークス
<オークス:追い切り>
桜花賞2着の雪辱を期すアドマイヤキッスに闘魂が注入された。高田騎手がラスト400メートルでムチを取り出すと、左手に持ち替えて1発、2発。キッスは体勢を沈めてグッと集中した。普段はサンデー産駒らしくない、おっとりした性格。しかし、この時ばかりは切れ味と気の強さを見せ、7ハロン96秒7−66秒6、ラスト1ハロン11秒9でフィニッシュした。
時計は予定より速かった。スタートから2ハロンは、行きたがるそぶりを見せていた。高田は、全体時計がやや速いのも分かっていた。それでも、最後にムチを振るった。「スピードに乗っていたし、リズムを崩したくなかった。それに、こんなに気合が乗ったことは今までなかったから」。おとなしすぎる性格が、レースでの闘争心に欠けるともいわれているキッスにとって、今までにない兆候だった。「引っ掛かっているわけではないし、反応は相変わらず良かった。随分やる気になっている。そこが桜花賞の時と違う」。巻き返しの必要条件である「気持ちの面」がクリアされた。
松田博師は「長距離輸送は、やっぱりやってみないと分からない部分ではある」と、初の長旅に不安をのぞかせた。その一方で「ベガの時と同じぐらい力は抜けていると思う」と、93年牝馬2冠のベガと並べてポテンシャルの高さを評価する。入厩時から「来年のオークス馬」と期待をかけてきた逸材。皐月賞はアドマイヤムーン、桜花賞ではキッスがともに1番人気に推されて苦杯をなめた。逆転をかけて、いざ東上する。【和田美保】
[2006/5/18/08:21 紙面から]
写真=アドマイヤキッスは高田騎手を背にCウッドコースをいっぱいに使い追い切られた(撮影・山岸満)
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