U23闘莉王「君が代」レッスン
ロッカールームに「君が代」が響いた。U−23(23歳以下)日本代表の守備の要、闘莉王(22=浦和)が同代表合宿2日目の5日、日の丸デビューとなる8日のイラン戦に向けて「国歌斉唱」の練習をした。2部練習でのフォーメーションチェックでは、新3バックの中央で好連係を披露。山本ジャパンの「大黒柱」に成長したブラジル出身のDFが、五輪予選本番への最後の準備に入った。
練習後のロッカールームから、闘莉王の歌声が聞こえてきた。他の選手に教わっていたのは「君が代」。すでにテープなどで練習はしていたが、日本古来の歌だけにブラジル出身の闘莉王には難しい。「歌詞はなんとかいけます。あとはリズム」と言って照れた。
昨年10月に日本国籍を取得し、代表に初選出されたのが同12月。公式戦出場は1試合もないが、すでにチームの中心として抜群の存在感を見せている。「君が代」は、そんな守備の要の唯一の不安だった。8日のイラン戦は初の公式戦。キックオフ前の国歌斉唱に向けて、完ぺきに歌えるようにしておきたかったのだ。
プレーでは、この日も際だった動きを見せた。3バックの中央に入り、大声が那須と徳永の2人を動かした。ラインを調節し、控え組の攻撃を封じた。ボールを奪うと、ストッパー2人を残し攻め上がった。今年に入ってからテストを繰り返してきた山本ジャパンの新3バックは、闘莉王を軸に完成間近まで迫った。
まだ公式戦ではテストしたことはないが、闘莉王は自信をみなぎらせる。「両サイド(DF)を残して自分が先に出るのは、今までの自分になかったことだけどやりやすい」。山本監督からは、午前練習で個人的にアドバイスを受けた。午後練習でも、新DF3人が残って細部の確認をした。闘莉王自身に芽生えた主力としての自覚が「君が代」練習となって表れた。
残る不安はたった1つ。「花粉症なんです」と苦笑いした。ブラジル出身だけに意外だが、16歳で日本に来てから苦しんでいるという。最終予選の日本ラウンドは3月中旬。一番ひどくなる時期だが、花粉の心配のないUAEラウンドで有利に立てばいい。山本ジャパンの最終ラインを仕切る「大黒柱」闘莉王。「君が代」を歌う公式戦デビューは目の前だ。【藤中栄二】
[2004/2/6/08:45 紙面から]
写真=練習で笑顔を見せる左から闘莉王、鈴木、平山、松井(撮影・野上伸悟)
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