甲府初勝利、川崎Fを完封/J1
<J1:甲府1−0川崎F>◇第3節◇18日◇小瀬
甲府が開幕3戦目でJ1初勝利を挙げた。開幕2戦で13得点を挙げて首位に立っていた川崎Fを1−0で完封した。後半40分にFWバレー(24)が約35メートルの距離からミドルシュートを決め、J2時代に相性の悪かった天敵に競り勝った。99年〜01年まで3年連続J2最下位で、経営危機も味わったお荷物クラブが、J1で大きな1勝をもぎとった。
「何事も冷静に」がモットーの大木監督がガッツポーズをしてほえた。選手たちはわれ先にと殊勲のFWバレーに飛びついた。この日を待っていた地元ファンの歓声がスタンドを包み込んだ。J1開幕から3戦目。甲府が勝った。
攻撃の主役はバレーだった。後半40分、MF石原のパスを受けると、ゴールまで35メートルの距離など気にせずシュートを放った。「頭の中で誰かが『シュートを撃て』と叫んだんだ」。思いを込めたボールは川崎Fのゴールに入った。試合前に「W杯決勝に出た時と同じ気持ちでやります」と話していた思いが、勝利を呼び込んだ。
天敵が相手だった。J2時代には20戦して3勝(4分け13敗)しかできなかった。しかも川崎Fは開幕2戦で13得点を挙げ、首位に立っていた。甲府は昨季通算64失点とJ2で3番目に多かった。練習では攻撃対策を十分に練った。控えに相手の動きを徹底的に覚え込ませ、名前まで「ジュニーニョ」「我那覇」などと呼ばせた。過去8戦で7得点を決められたジュニーニョを2人で徹底マーク。前節までに5得点を挙げていた我那覇にはシュートさえ打たせなかった。大木監督も「DFはプラン通り」と守備陣を褒めた。
99年〜01年まで3年連続でJ2最下位を味わい、00年には今もJリーグ記録として残る19連敗を喫した。経営危機だったお荷物クラブは過去の話だ。誰もが黙々と居残り練習をこなし、着実に力を付けてきた。J1昇格はフロックではない。開幕戦は黒星も、2戦目で引き分け初の勝ち点。そして3戦目で初勝利をつかんだ。「もっと苦労すると思ってたけど、以外と早く勝てましたよ」と選手は声をそろえた。積み重ねた練習は裏切らない。
「勝ったのはうれしいけど、通過点。大切なのは次。ティッシュを1枚1枚重ねるように、すきなく着実に上がっていきたい」と大木監督は先を見据える。次節は鹿島戦。風林火山の武田信玄のように、戦国リーグを演出してみせる。【井上満夫】
[2006/3/19/08:43 紙面から]
写真=後半40分、GK相沢の頭上を越えるミドルシュートで決勝ゴールを決めたバレーはガッツポーズ(撮影・下田雄一)
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