女子55キロ級は競技歴約半年で初出場の山本恵理(33=日本財団パラリンピックサポートセンター)が、3回目の試技で49キロを挙げて優勝した。順位には反映しない直後の特別試技では50キロの日本新記録をマーク。デビュー戦となった6月のジャパンカップで記録した自己記録の40キロを6カ月で10キロも更新した。

 ふだんはパラリンピック競技団体が共同オフィスとして利用する日本財団パラリンピックサポートセンターに勤務している。5月2日に銀座で行われたパラリンピックの体験イベントで、40キロのバーベルを挙げたことをきっかけに本格的に競技を始めた。「今もフルタイムで仕事をしていて、練習は週3日、昼休みなどを利用してやっています」。もともと女子アイススレッジホッケーの選手で基礎体力は備わっていた。

 2020年大会へのステップとなる17年9月の世界選手権(メキシコ)の女子55キロ級の参加標準記録は60キロ。もっとも普段の体重52キロの山本は50キロ級での出場も視野に入れている。その50キロ級の参加標準記録は57キロ。「目標は57キロから60キロを挙げて来年の世界選手権に出ること。始めた頃よりもっとパワーリフティングが楽しくなった」。半年で自己ベストを10キロ更新した伸び盛りの異色のホープにとって、「あと7キロ」は十分に達成可能な数字だ。