バスケットボールBリーグ1部(B1)のプレーオフ、チャンピオンシップ(CS)が10日から始まる。
レギュラーシーズンの上位8チームが出場。前年優勝の琉球ゴールデンキングスは今季、西地区7連覇を逃したものの、同地区優勝の名古屋ダイヤモンドドルフィンズと同率2位の成績を収めた。CS準々決勝では東地区2位のアルバルク東京とアウェーで対戦。チームを指揮する桶谷大監督が、日刊スポーツの単独インタビューに応じた。【取材・構成=奥岡幹浩】
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-レギュラーシーズンを振り返って
「序盤はけが人が相次ぎ、選手が常に入れ替わる状態。つくったものを常に入れ替える必要が生じたり、狙うべきプレーを変化させる必要が生じたりで、ケミストリーという部分で時間がかかってしまった」
-それでも1月から3月にかけて8連勝を収めるなど立て直した。
「天皇杯まではいい流れだった。カークを国籍変更枠で起用できるようになったことも大きかった。ただ、連勝が続いて良い流れで臨んだ天皇杯決勝で大敗。あれでチームが自信を失いそうになった。我慢できなかったり、混乱する部分もあった。フラストレーションをためてしまうというか、エネルギーをぶつける場所が相手じゃなくなってしまい、チームとして粘り強く戦うことがなかなかできなかった。それでも最後の広島戦に関しては、自分たちらしいバスケができた。『沖縄をもっと元気に!』という僕たちの合言葉がある。これまでキングスが築き上げてきたカルチャーを踏まえた戦いが最後にできた。CSでも『沖縄をもっと元気に!』という合言葉を忘れずに戦い続けたい」
-CSへの手応え
「手応えはある。重要なのは、接戦になったときに、自分たちを見失わずにプレーし続けること。どうすれば自分たちの勝ちパターンに持って行けるか、どうなると負けパターンになってしまうか、そこをちゃんと理解した上で試合に臨んでいくことが1番大切になる」
-準々決勝の相手は強豪アルバルク
「まずは失点が少ないチーム。攻撃ではスリービッグの軸としてメインデル選手がいて、3点シュートやレイアップを決めてくるのが彼らの武器。とくに3点シュートの部分が伸びると、彼らがやりたいバスケットにつながってしまう。レギュラーシーズンでの直接対決で敗れたときは、ターンオーバーでの失点が多かった。大事なのは、まずはボールを大事に扱うということ。そして相手の攻撃を抑えたあとのリバウンドを自分たちが確保し、セカンドチャンスを与えないこともポイントになる」
-トーナメント表を見ると、同じブロックには優勝経験を持つ強敵がそろう
「みなさんそういう言い方をされるけれど、正直、CSに出てくるチームはどこも強い。今季の三遠さんは強いし、名古屋さんも強い。三河さんも広島さんも強敵。いままで見ていて思うのは、CSはやっぱりヘルシーなチームが勝つと言うこと。去年はやっぱり、CSでは自分たちが1番健康なチームだった。その前の年は、ワイルドカードから優勝した宇都宮さんが最も健康なチームだった。強いチームがそろう中で、1番大切なことはヘルシーであること」
-現時点でのキングスはヘルシーな状態ととらえていいか
「ええ。現時点でけが人はいない。これから風邪とかひかずに、ヘルシーな状態でプレーしていくことが大事」
-連覇に向けての意気込みを
「連覇への意識は、これまでとくにしないようにしてきた。メンバーの入れ替わりもあるし、他チームも同じわけではない。今季は今季のメンバーで優勝したいというのがやっぱりあるので。ただ、こうしてCSまで来ることができたということは、チャンピオンシップコンテンダーとして優勝できるチャンスを得られたとも思っている。だからこそ、団結力で優勝したい」
◆桶谷大(おけたに・だい)1977年(昭52)12月23日生まれ、京都府出身。京都・朱雀高-アリゾナ州立大。bjリーグ大分のコーチ、監督を経て、08年に琉球監督に就任し、4シーズンで優勝2回、準優勝1回、3位1回。その後、岩手、大阪、仙台を率いた後、21年より再び琉球へ。復帰初年度はチームを準優勝、2年目の昨季はBリーグ初制覇に導いた。趣味はイカ釣り。