バスケットボールBリーグ1部(B1)のチャンピオンシップ(CS)が10日から始まる。東、中、西の各地区1、2位と、3位以下の上位2チーム合計8チームが、2戦先勝方式のトーナメントで頂点を争う。

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ブロックで“特色”が分かれた。まず宇都宮、千葉J、A東京、琉球のヤマは、いずれも優勝経験を持つチームが入った。初戦の準々決勝から好ゲーム必至。守備力に自信を持つ宇都宮やA東京としては、ロースコアの展開に持ち込めば勝機が広がる。もう一方のブロックに入った4チームは、いずれも初優勝を狙う。中地区を独走で制した三遠の攻撃は破壊力十分。西地区王者の名古屋Dは、最終盤までもつれたリーグ戦を制した勢いがある。

 

◆宇都宮(東地区1位) 今季の転機は、リーグ戦中の天皇杯準決勝(2月14日)での敗戦だった。千葉Jに最大21点差つけながら逆転負け。第4クオーター途中でファウルアウト(退場)になったエース比江島は「僕のせいで負けた」とうなだれた。しかし、この敗戦でチーム全員で戦う意識を再確認。リーグ戦での21連勝につなげた。全員で3点シュートを狙い、1試合の平均得点(81・6)は昨季より8点近く上昇。同平均失点(69・2)はリーグ最少を誇る。昨季は初めてCS出場を逃し、佐々宜央監督(39)は「その悔しさをはね返し、3度目の優勝を勝ち取りたい」と力を込める。初戦は、その千葉Jと顔を合わせる。

 

◆名古屋D(西地区1位) 最終戦までもつれこんだ熾烈(しれつ)な争いを制し、初の西地区王者に輝いた。今季は開幕7連勝と好発進も、12月は負け越し。同中旬の天皇杯第3ラウンドでは、宇都宮に27点差をつけられての大敗を喫した。それでも1月から3月にかけて、チーム最多記録に並ぶ11連勝をマーク。梶山信吾ゼネラルマネジャー(47)は「大きな波が何度もあったが、苦しいときにチームとして自分たちと向き合い、強くなった」と成長を実感する。合言葉は「自分たちらしさ」を意味する「BE US」。攻守の切り替えの速さを武器に、まずは初の4強、さらには頂点を狙う。

 

◆三遠(中地区1位) 2季目の大野篤史監督(46)の下で戦術理解度が深まり、現行リーグでチーム最多の46勝(14敗)を挙げて地区優勝を決めた。ともに身長201センチのメイテン&クラークのPFコンビが得点源。1試合平均リーグトップ89・5点の原動力となった。アジア特別枠のSGラベナは、卓越した身体能力でオフェンスをけん引。全60戦出場のPG大浦は平均5・2本のアシストで貢献し、要所で3点シュートを沈めるなど、勝負強さが光った。bjリーグ時代に3度の優勝を誇る古豪は、Bリーグ元年(16-17年シーズン)以来、2度目のCSで初頂点を目指す。