【前検リサーチ】

 エンジン抽選の終盤に「オ~ッ」と会場がどよめいた。待てども待てどもエース10号機の玉が出てこない。残り福を待っていた地元東京トリオに渡るのか? と思われた瞬間、篠崎仁志が引き当てて、照れたしぐさを見せた。「グイグイいく感じじゃないけど、足的に少しいいのかな」。強い向かい風の影響で判断しづらかったが、底力の片りんは感じさせた。09年4月以来と久々の水面でも「賞金勝負はチャレンジを入れて4節。今節の5、6日目も注目してもらえるように頑張ります」と意気込んだ。

 前エース機で、力感のある19号機は魚谷智之が手に入れた。「風で手探り。しっかり合わせていきたい」。好みの回り足へ調整の正解を探る。

 グランプリ出場争いは佳境に入り、篠崎仁は賞金20位、魚谷は直前の津周年Vで同21位とシビアな勝負が求められる。申し分のないパワー機を武器に、まずGP1stステージ、その先の2ndステージも見据えて全力を尽くす。【窪寺伸行】