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第54回 国土交通省大臣旗争奪 競艇 全日本選手権特集


1999年 プレーバック

山室展弘、19回目の出場でSG初優勝

全日本選手権最終日 優勝した山室展弘は賞金ボードを掲げる=1999年10月11日、戸田競艇場
全日本選手権最終日 優勝した山室展弘は賞金ボードを掲げる=1999年10月11日、戸田競艇場

 SG第46回全日本選手権(競艇ダービー)優勝戦は11日、埼玉・戸田競艇場で行われた。1着賞金4000万円を手にしたのはSG初優出の伏兵・山室展弘(38=岡山)。1マークできれいなまくり差しを決め、19回目の出場で悲願のSG初制覇を果たした。MB記念も山本浩次が制しており、岡山勢のSG連覇となった。2着には岡本、3着には江口が入り、浜野谷、今垣の両雄は4、6着に沈んだ。

 破天荒な天才レーサーが、一発勝負の大舞台で最高のレースを披露した。スタートタイミング01から05までに5人がひしめく際どい発走。1マークが近づくとスリット隊形が徐々に崩れ、6艇が一斉に旋回態勢に入る。ファンがかたずをのんで見守る1マークの攻防。トップで抜け出してきたのは、浜野谷でも今垣でもなかった。青色4番はまぎれもなく山室だ。

 内から江口が意地の差しで追いかけてくる。勝負はまだついていなかった。山室は2マークでもう一度レバーを握る。この瞬間、山室は優勝を確信した。「江口が差して2等かなと思ったが、次のマークで抜かれなかったからね」。

 悲願のSG制覇というのに、引き揚げてきた山室の顔は、とまどいにも似た複雑な表情だった。「優勝したことでこれから目立っちゃう。どうしようかと思って」と説明した。奇抜なコメントで知られる、いかにもこの男らしい。「一般戦の優勝戦よりリラックスしていた。ただ1マークで恥はかきたくないとだけ思っていた。今後の目標? もうないですね。これで満足。一発屋ですから」とあくまで自分流を貫く。

 しかし、これは照れだろう。「冷静に落ち着いて行け」と送り出した師匠の黒明は「うち(イーグル会)では1番腕があって勝負度胸もある。今年は何かやる気がした。天才肌だから、やる気さえ出ればいつでもSGは勝てると思っていた」と弟子を評した。左ヒザのじん帯断裂からよみがえった不屈の闘志。一発屋で終わるわけがない。

[1999年10月12日付 紙面から]



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