英国のジェイミー・オズボーン調教師(58)が昨年夏、競馬場で同意のない他人の“服を着た臀部(でんぶ)”の写真を不適切に撮影したとして、BHA(英国競馬統括機構)から3カ月の資格停止処分(執行猶予6カ月)を受けた。BHAが公式ホームページで発表し、レーシングポスト電子版など英国の競馬メディアが12日、伝えている。

BHAの懲戒委員会の報告はプライバシーを保護した上で事実関係をまとめている。報告の主な内容は以下のとおり。

「昨年夏のある日、オズボーン氏はある競馬場の午後の開催で、調教師兼オーナーとして、パドック(パレードリング)にいました」

「オズボーン氏はAさんと、AさんのパートナーのBさんと和やかな会話を交わしました。AさんとBさんはオズボーン氏がAさんの同意なしにAさんの写真を携帯電話で撮影しているのを目撃しました。撮影した写真には服を着たAさんの臀部(でんぶ)の写真も含まれていました。Bさんとオズボーン氏は激しい口論になり、それに気づいた競馬場の職員に対し、Bさんは目撃した内容を告げました。オズボーン氏は当初、写真を撮ったことを否定し、携帯電話で撮影したものを見せることを拒否しましたが、その後、写真を撮ったことを認め、写真を削除しました。競馬場の職員は削除された写真の少なくとも1枚は、Aさんの臀部(でんぶ)が写ったものだったことを確認しました」

「AさんとBさんは裁決委員に報告し、同日夜に当事者全員の調査が行われ、オズボーン氏は自身の行為について謝罪し、写真はすべて削除したことを確認しました」

「この出来事はAさんとBさんに多大な恥辱と動揺を与えました。両氏(AさんとBさん)はオズボーン氏の最初の対応が盗撮行為を軽視しようとするものであったと感じており、競馬界の人、特に若い女性がこのような目に遭うことを望まないと述べています。両氏は(オズボーン氏の行為が)業界で尊敬される調教師としてあるまじき行為であるとの見解を示しました」

「オズボーン氏は事件から約3週間後にBHAの事情聴取を受け、Aさんの服を着た臀部(でんぶ)を撮影し、オズボーン氏がメンバーだった『Great Bums(素晴らしいお尻)』、またはそれに類する名前の(メッセージアプリの)チャットグループで共有する意図があったことを認めました。オズボーン氏はBHAの調査に全面的に協力し、自身の行為が行動規範に違反したことを認めています」

報告書では今回の処分に至るまでの経緯が詳細に掲載されている。Aさんがその後の競馬観戦で不安を感じていること、オズボーン氏が元騎手であり、調教師兼馬主として長年、責任のある立場にあったこと、オズボーン師が同意なしに撮影した写真をチャットに投稿したのは今回が初めてではないと認めていること(他の競馬業界関係者が一切関与していないこと)、すでにチャットグループを脱退していること、オズボーン師に懲戒歴がないことなど。

報告書の最後はオズボーン氏に対し、3カ月の資格停止処分の他に、セクシャルハラスメント防止の研修、女性蔑視を防止する研修を受け、競馬関連の慈善団体に3000ポンド(約65万円)を寄付すること、AさんとBさんに正式な書面で謝罪することが義務づけられている。

ジェイミー・オズボーン調教師はナショナルハント(障害競走)のトップジョッキーとして活躍後、調教師に転身した。03年にはG1デューハーストSをミルクイットミックで勝利。14年にはトーストオブニューヨークでドバイのUAEダービーを制し、同馬は同年秋にBCクラシックで2着に好走した。昨年のUAEダービーでは管理馬ハートオブオナーが日本馬アドマイヤデイトナの鼻差2着だった。娘のサフィー・オズボーン(24)は現在、英国の平地ジョッキーとして活躍している。