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木村10度目優出で悲願の初制覇/オート

10度目のSG優出で初優勝した木村武之は、表彰式で涙が止まらなかった
10度目のSG優出で初優勝した木村武之は、表彰式で涙が止まらなかった

<オートレース:オートレースグランプリ>◇最終日◇23日◇SG=川口オートレース場

 木村武之(32=浜松)に遅過ぎた春が巡ってきた。40回目のSG出場、10回目の優出で初制覇を飾った。4枠の木村は序盤で先頭を奪うと、独走態勢に持ち込んで悲願のVゴール。永井大介のSG4連覇、高橋貢のグランドスラムを阻止した。

 試走3秒29~32の間に8車がひしめき、激戦の様相を呈した。しかし、レースは木村のワンサイドゲームになった。「試走の手応えが良過ぎてプレッシャーがあった。でも、レースになったら何着でもいいと吹っ切れた」。スタートを無難に出て、1周目のバックで2番手と好位をキープし機をうかがう。「1回仕掛けたけど入れずに引いた。外に振り直して態勢をつくったら、有吉さんが立ち上がりで滑るのが見えた」。冷静に状況判断すると、3周3コーナーで逃げる有吉を難なく抜き去った。「スピード負け。完敗です」(有吉)。「レース足は最高」の木村は、目いっぱい開けてグングン前に突き進む。周回を重ねるごとに差を広げ、独走でゴールに飛び込んだ。上がり3秒355は、ぶっちぎりのシリーズ1番時計だった。

 2級車時代から才能を発揮してG1、G2と記念獲得ラッシュ。「自分でも、次はSGを取れると思っていた」。それが、04年4月の現行タイヤ(旧来のものより滑る)導入後は不振に陥った。「エンジンの状態はどん底までいった。苦労してきただけに(SGを取れたのが)不思議」。07年以降は記念Vがなく、今年の初優勝がSG制覇の快挙。「ゴール後にファンの声援がすごく、こらえていたのに感極まった」。感情をあまり表に出さないクールな男が、人目をはばからずに泣いた。どん底を経験した男が、自信を力に変えてオート界に旋風を巻き起こす。【海老原実】

 [2009年9月24日10時4分 紙面から]


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