ディープのおいパッション勝った/新馬戦
<新馬戦>◇21日=阪神◇芝1600メートル◇2歳◇出走8頭
阪神4Rの新馬戦(芝1600メートル)でディープインパクトのおいにあたるダノンパッション(牡、栗東・池江泰郎、父アグネスタキオン)が、鮮烈デビューを飾った。勝ち時計は1分39秒4と平凡だが、スタートで出負け、道中は折り合いを欠き、直線も前がふさがる不利がありながら、最後は手綱を押さえる余裕の勝利で大物ぶりを発揮。3冠馬を叔父に持つ良血馬が、クラシック候補へ名乗りを上げた。
ゴール200メートル手前。壁になっていた2頭の間がようやく開く。武豊騎手の一発のステッキを合図に、ダノンパッションはゴールへ加速した。ファンがやきもきしたレースも、最後は手綱を押さえる余裕の勝利。武豊は「直線で前がフラフラしていたけど、肩ムチ一発であっという間でしたね。いいデビュー戦だった」と満足そうにほほえんだ。
勝ち時計は1分39秒4。上がりも35秒0と数字は目立たない。だが、終わってみれば強さだけが際立った。最内枠で後手を踏み道中は馬群の内。しかも、1000メートル通過が64秒1という超スロー。向正面では頭を上げるなど激しく折り合いを欠き、落ち着いた時はすでに3角を回っていた。それでも「ゲートは遅いと聞いていたから。外枠なら行くかどん尻でもと思ったけど、ちょっと位置を取りにいった時に反応が良すぎたね。でも、すぐに折り合ったよ」と武は涼しい顔。並の馬なら力尽きるが、能力に絶対の自信があった。競馬の神が与えた3つの試練をあっさりクリアした。
叔父はディープインパクトという良血。07年のセレクトセール当歳部門で7100万円で落札された。この日は舌を縛っていたように、モタれる面を見せるなど幼さを残す。ディープを管理し、再来年2月に定年を迎える池江泰郎師は「入厩して1カ月でまともに調教をしたのは実質20日くらい。なかなかこんな短時間では使えない。覚えが早いね」と素質の高さに驚きを隠さない。この後は、夏の2歳重賞には目もくれず放牧へ。同師が「将来のために」と言えば、武も「将来が楽しみ」と同じ言葉で前を見据えた。照準は来春のクラシック。試練の初陣を飾ったダノンパッションがクラシックロードをまい進する。【山本幸史】
[2009年6月22日8時26分 紙面から]
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