ウオッカ電撃引退!2度目鼻出血激闘に幕
女傑ウオッカ(牝6、栗東・角居)の電撃引退が6日、決まった。4日のマクトゥーム・チャレンジ・ラウンド3(G2、ドバイ・メイダン競馬場)で8着に敗れた際、レース中に鼻出血を発症していたことが判明。2度目の発症に谷水雄三オーナー(70)と角居勝彦師(45)が話し合い、ラストランの予定だった27日のドバイワールドCを待たずにターフを去ることとなった。今後は予定通り、昨年の凱旋門賞馬シーザスターズとの種付けのためアイルランドへ向かう。
不屈の闘志で牡馬をなぎ倒してきた女傑に、突然の引退が訪れた。
ドバイWCの前哨戦として行われた4日のマクトゥーム・チャレンジ・ラウンド3で8着後、厩舎周りで上がり運動をしているウオッカの右の鼻に少量の鼻出血が見られた。わずか2センチ差で制した、昨年のジャパンCのレース中にも発症したアクシデント。前回はJRAの規定により、レース翌日から1カ月の出走停止となって有馬記念を回避したが、2度目の今回はターフから別れを告げることになった。
軽症とはいえ、口で息ができないサラブレッドにとって、レース中の鼻出血が慢性化すれば致命傷となる。27日の世界最高峰レース・ドバイWCをラストランに予定していたが、この日阪神競馬場で谷水オーナーに報告して話し合いを持った角居師は、努めて明るく前を向いた。
「かわいそうだし、名誉のある馬。これ以上、成績も体も傷つけなくていいと、オーナーも同じ考えでした。残念だけど、ここまでよく頑張ってくれた。挑戦ばかりしてきたけど、G1を7つも勝ってくれて、すべてをかなえてくれた馬でした」。
ちょうど3年前。この日行われたチューリップ賞を制した。当時3歳の天才少女は“挑戦”の扉を開け続けた。64年ぶりの牝馬によるダービー制覇、ダイワスカーレットとの死闘を制した08年天皇賞(秋)、復活Vを果たした昨年のジャパンC、そして3度にわたる海外遠征。出走すれば楽に勝てたはずの牝馬G1戦や国内路線にとどまらず、男馬や世界に挑み続けた。負けては立ち上がるチャレンジの連続だった。
「最後は次の扉もあけてくれたのでしょうか。もっと頑張れとか、次は私を超えるような馬を作ってよとか…。心憎い馬でした」。角居師は消え入りそうな声になりながらも、しっかりと言葉をつないだ。
今後は昨年の凱旋門賞馬シーザスターズとの種付けがアイルランドで待っている。予定より早い引退となったため、すでに英国経由での渡航便も探し始めた。「シーザスターズはいい種牡馬ですし、世界中から注目されています。どんな子を産んでくれるのか」。女傑ウオッカの走りは、次世代に受け継がれる。
[2010年3月7日8時23分 紙面から]
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