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フラッシュ内田最速32秒7V/ダービー

ダービーを制したエイシンフラッシュの内田騎手は検量室前でガッツポーズ
ダービーを制したエイシンフラッシュの内田騎手は検量室前でガッツポーズ

<ダービー>◇30日=東京◇G1◇芝2400メートル◇3歳◇出走17頭

 ウチパクの願いはかなった-。7番人気エイシンフラッシュ(牡、栗東・藤原英)が中団から直線で抜け出して皐月賞3着の雪辱を果たし、内田博幸騎手(39=嶋田潤)は大井から移籍3年目でダービージョッキーの栄冠をつかんだ。2着には2歳王者ローズキングダム。スローの上がり勝負に2強は持ち味を出せず、ヴィクトワールピサは3着、ペルーサは6着に終わった。

 12万人があっけに取られた。ダービー馬の座をもぎ取ったのは、皐月賞馬でも無敗馬でもなく内田のエイシンフラッシュだった。枠順は最内。2強に注目が集まる中、ひたすら息を潜めた。向正面でペースが落ちた時でも、ぴたりと折り合った。スタミナの消耗も距離のロスもない。最後に解き放った爆発力が、上がり3ハロン32秒7の極限の脚を引き出した。

 「感無量です」。内田には実感がなかった。「責任を果たしたというよりも、本当に勝ったのかなという感じ」と素直な感想が口をついた。「最後はボクの追い方もバラバラでした(笑い)。大井から移籍して、いつかつかみたかった夢はリーディングとダービージョッキー。リーディングは昨年取れたし、夢が実現できて良かった」。

 極端なスローペース。ヴィクトワールピサは内から上がり3ハロン33秒1を使ったが届かない。ペルーサは外から伸びてきたが、最後はスタミナが底をついた。切れでもスタミナでもまさった。一番苦しい坂を上がってからの攻防まで、気力も体力も残っていた。馬場入場は先頭。大歓声のスタンドを前にしても動じず、16頭を引き連れるようにゆったりとターフに脚を踏み入れた。1度、1コーナーの方へ向かって喧騒(けんそう)を避けた。全馬の入場が終わり、歓声が静まってからスタンド前をゆったりと駆け抜けた。すべての過程は頂点へ向けられていた。

 レース4日前の26日、内田は安田記念で乗るトライアンフマーチの追い切りで栗東に駆けつけた。エイシンフラッシュに乗る予定もあったが、スタッフによる仕上げを決めたトレーナーから「やっぱ乗らんでええわ」と言われていた。厩舎に出向き「状態はええぞ」と告げられ、雑談だけで美浦に戻った。好メンバーのダービーで気楽な立場なのも、リラックスした空気を作り出していた。忘れ去られていた皐月賞3着馬が、大一番で牙をむいた。

 今後は未定。藤原英師は「最低でも1週間、実際は2、3週間、ダメージがないかじっくりと見たい」。凱旋門賞に1次登録も済ませている。海外か、それとも菊花賞か。世界で戦える能力は示した。【高橋悟史】

 [2010年5月31日8時12分 紙面から]


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