日刊スポーツのニュースサイト、ニッカンスポーツ・コムです。


19歳摩弥ちゃん逃げ切り初勝利/川口

日記を書く

初勝利を挙げて検査場の前でガッツポーズをする佐藤摩弥
初勝利を挙げて検査場の前でガッツポーズをする佐藤摩弥

<川口オート>◇2日目◇12日

 モトクロスからオートレースに転向した摩弥ちゃんが逃げ切り初勝利だ。44年ぶりに復活した女子レーサー佐藤摩弥(19=川口)が12日、埼玉・川口オートレース第4Rで1着となり、デビュー2戦目でうれしい初勝利を挙げた。後続とのハンディ差30~70メートルの有利な条件を生かして終始トップを走り、2着に約20メートル差をつけて快勝。オートレース界にニューヒロインが誕生した。

 佐藤が待望の勝利を決めた。11日のデビュー戦では60度まで上昇した走路でタイヤが滑り、悔しい2着に終わった。その反省を踏まえて冷静に車を操作し、逃げ切り快勝した。しかし「初日より反省点が多い。今日こそ1着を取らなければ、と初日より硬くなった。タイヤを滑らせないように慎重になりすぎた」と初勝利にも喜びの表情はなかった。

 2日目の自己採点は20点。「いいスタートが切れたのが20点で、それ以外は納得できない」と振り返る。向上心が旺盛で負けず嫌いの性格をのぞかせる。車名のセリーナ(海外ドラマ、ゴシップガールの主人公)は強い女性を意識して名付けた。強い選手を目指す佐藤にぴったりの名前だ。

 11日にデビューした31期20人の中では最年少だ。佐藤がオートレースと出会ったのは中学2年の時。父誠也さんと一緒に行った川口オートレース場だった。「これだ!」と思い、ずっと自分の夢を追いかけてきた。05年にはモトクロスのキッズ部門で優勝したキャリアもあり、経験を積んで将来的にバイクに乗れる仕事を目指していた。

 そんなとき突然オートレーサーへの道が開けた。07年募集の30期から年齢が満16歳以上に引き下げられ、性別も撤廃された。16歳になり、県立鳩ケ谷高を中退して31期を受験。1、2次試験をクリア。仮入所の第3次試験には自慢のロングヘアを丸刈りにして気合十分で臨んだ。

 高い評価の中で迎えた11日のデビュー戦は高校時代の仲間や知人がサポーターとなり走路に応援の横断幕を掲げてくれた。レース場に向かう前日には父が黙って手を差し出し、握手をした。あえて「頑張れ」と言わなかったのはプレッシャーをかけたくないという親心だった。そのためにも勝ちたかったが悔しい2着。

 12日は1日遅れの初勝利だったが、それ以外にもうれしい出来事があった。モトクロス時代から愛用していたヘルメットが届いたのだ。オート用にデザインし直したもので、後部には「摩弥」の名前がペイント。早速レースで着用して勝利をもぎ取った。ピンク色の相棒と再会した時の笑顔は、勝負師から19歳の乙女へと戻った。【海老原実】

 [2011年7月13日10時7分 紙面から]







日刊スポーツ購読申し込み 日刊スポーツ映画大賞