「日本の天敵」FWケーヒルは必ず消えると言っていい。日本のゴール前でDF吉田、森重の視野からいかに消えるかを常に考え、味方のクロスを待っている。彼の動きは、頭では分かっていても対応が難しい。日本は過去の8試合で5失点。瞬間的な動きにつられてフリーにしてしまい、失点を重ねている。

 今回の最終予選でケーヒルは、クロスから遠い位置(ファー)でヘディングシュートを狙うことが多い。クロスに対し、ボールに近い位置(ニア)に動いて相手DF陣を誘っておいて、逆にファーに回って、センターバックとサイドバックの間に進入して得点を狙う。阻止するには、オーストラリアのサイドの選手がボールを蹴る直前までケーヒルから目を離さず、腕などをうまく使って彼の位置を常に把握しておくことだ。

 オーストラリアは、日本がセットプレーから失点する傾向にあることを分析済みだろう。スピードのある選手が日本の陣内でドリブルを仕掛けてファウルを誘い、FKからの攻撃で得点を狙ってくるはず。ここでもケーヒルの存在は脅威だ。競り負けることはあるかもしれないが「絶対にフリーではヘディングさせない」ということだけは肝に銘じてほしい。(日刊スポーツ評論家)