<国際親善試合:日本2-0チュニジア>◇27日◇大分銀行ドーム

 6月にW杯アジア2次予選を戦う場合、日本にはあまりにも時間が足りない。その意味で本田、香川らを軸にするしか、新監督には選択肢がなくなったと、この試合で思えたのではないか。

 前半の選手が悪いのではない。ただ勝つことが最優先の予選では、川又や永井ら新戦力を軸にして戦うことは不可能だと示した試合だった。予選は従来の選手を「幹」にし、川又らを「枝」というパーツとして混ぜ合わせるのが、新監督の仕事になったのは明確だ。夏以降はもう1度、ベースとなる選手を考え直せばいい。その時に川又らが主力になり、花を咲かすかもしれない。

 目指すカウンターはまだまだだ。簡単な戦術に思えるが、いい守備ができてこその戦い方だ。球際の強さを含めて守備を見直さないと、新監督が満足できる攻撃はできない。(日刊スポーツ評論家)