25日に発表された日本代表メンバーを見て、皆さんは、どう感じられましたか。

 都内で行われたメンバー発表会見を取材し、私は正直ここまでやるか、と驚きました。

 宇賀神選手、三浦選手、加藤選手と新顔が3人。GK候補合宿に呼ばれただけの中村選手も含めると、実質的な初招集は4人。会見中に4回驚き、そのたびに「おっ!」と小さな声を上げてしまいました。

 大事なW杯ロシア大会アジア最終予選も残り3試合。イラク戦は中立地イランの首都テヘランでの開催とはいえ、中東のアウェー戦になります。

 3月の大事なUAE戦で経験を重視し、ベテラン今野選手を呼び寄せて勝ったハリルホジッチ監督。その眼力と戦略には、いま、一定の説得力があるのではないでしょうか。これが正解なんだという気もします。

 今回は劣悪なピッチを想定し、肉弾戦を重視したメンバーを優先させています。選んだ監督自身は「サプライズではない」と言い切って胸を張っていましたが、もう1つのサプライズが起きた時の対処が気になります。

 「デコボコ」というテヘラン・PASスタジアムのピッチ。ハリルジャパンのイラン遠征で使用経験もあり、いまも徹底した情報収集をしているので心配ないのでしょうが、行ってみたら整備され、意外にいいじゃないか、というのがアウェーではよくある話。そうなったら、呼んだ選手の力は半減してしまいます。

 徹底した準備、人選が裏目に出ないよう、こうなったら、ピッチがある程度デコボコであることを祈るばかりです。もちろんベースとなるメンバーは経験豊富で適応力もあるので、大丈夫だと思います。ですが、何となく胸騒ぎがします。

 そういえば、昨年11月も、3月も、いつも胸騒ぎがする心配性の私と違い、ハリルジャパンはたくましく、初戦のつまずきから立ち直り、着実に勝ち点を重ねてロシアに向かっています。

 目下のハリルホジッチ監督の心配は、楽観ムードだそうです。会見では「一番心配なのは『突破できるよね』『(毎回予選は)きつかったけど、結局突破している』などという話を聞くが、そのワナに引っかかりたくない」と話していました。

 小心者の私の胸騒ぎは、勝利のサイン。勝手にそう信じて、テヘランで勝利を見届けたいと思っています。【八反誠】


 ◆八反誠(はったん・まこと)1975年(昭50)岐阜県生まれ。98年入社。06年からサッカー担当に。途中、プロ野球中日担当も兼務。14年1月から東京勤務。日本サッカー協会やJリーグなどを担当している。