【ドーハ(カタール)=18日】日本代表MF本田圭佑(24=CSKAモスクワ)が準々決勝進出を決めたチームに「辛口げき」を飛ばした。日本は5-0で快勝したサウジアラビア戦から一夜明けたこの日、ドーハ市内で調整練習を実施。左足首捻挫でサウジアラビア戦を温存された本田圭は、5得点中3点がクロスからの得点だったことを「得点のパターンが少ない」と指摘した。この日はミニゲームなどで順調な回復をアピール。21日の準々決勝カタール戦の先発復帰が決定的な大黒柱が、ピッチ上で日本をさらに進化させる。

 もっと良いサッカーができる-。妥協を許さぬ姿勢が、辛口のげきにつながった。本田圭はこの日の練習後「(チームは)まだ甘いところがある。得点のパターンとかがあまりに少ない。(バリエーションを増やさないといけない?)そうですね」と口数こそ少なかったが、核心に迫ってみせた。

 左足首捻挫の影響で温存されたサウジアラビア戦。自身は出場を望みながら、ザッケローニ監督に大事を取らされベンチで見守った一戦で、日本の課題を見つけていた。「得点の入り方(の多く)がセンタリングだったから」。多種多様な得点パターンの確立の必要性を痛感していた。

 サウジアラビア戦で快勝し、勢いがついたチームに水を差すつもりはない。サウジ戦もFW岡崎の先制点の場面では、誰よりも早くベンチを飛び出し、喜びを爆発させていた。チーム一丸で戦い、ザックジャパンのさらなる進化を目指すため、このタイミングで率直な意見を語ったまでだ。

 大会前は「自分たちは経験がない。だから、自分たちのらしさを出せればいい」と話していた。9日のヨルダン戦はFW前田とMF本田圭、香川、松井のポジションチェンジが少なく、攻撃が硬直化。13日のシリア戦では潤滑なポジションチェンジが増え、攻撃が柔軟になった。自身が欠場したサウジアラビア戦は大量5得点。次第に「らしさ」が出せ始めているから、さらなる課題を口にした。

 この日の練習では控え組に入り、ミニゲームやシュート練習などの激しいメニューをスパイクを履き、すべてを消化した。練習中には心拍数をチェックする機具をつけ、こまめにコンディションを確認。左足を気にするそぶりもなく、順調な回復をアピールした。

 サウジアラビア戦直後の取材エリアでは次戦出場について「もちろん」と話していた。次戦は21日の準々決勝カタール戦。開催国との対戦は完全アウェー状態が予想され、さらに厳しい戦いとなることは必至。1戦の休養を挟み、英気を養った本田圭がピッチ上で多種多様な攻撃の起点となり、ザックジャパンをアジア4強へといざなう。【菅家大輔】