FW岡崎慎司(28=マインツ)が、ハリル体制を機に変化する。サッカー日本代表は29日、親善試合ウズベキスタン戦(31日・味の素スタジアム)に向けて、都内で1時間15分の軽めの練習を行った。センターFWで先発の可能性が高い岡崎は27日のチュニジア戦で、カズを抜いて日本代表FW歴代最多出場を果たした。出場試合数も今回のメンバーでは最多。それほどの大黒柱が、戦い方や試合の流れによって、自身の役割を変幻自在に変えようと意識している。

 誰よりも声を出し、誰よりも盛り上げた。岡崎はリラックスムードで行われた公開練習のサッカーバレーで、何度もスタンドの観客から笑いを誘った。一挙手一投足に選手も笑い、雰囲気もなごむ。代表の常連組となっても明るいキャラクターは変わることがない。しかし、ハリルホジッチ監督を迎えた新体制で、よりチームで戦うことを意識するようになった。

 「個人で戦うには限界があると前回のW杯(ブラジル大会)で分かった。W杯でもアジア杯でも負けて、(ハリルホジッチ)監督が『チームの全員で戦わなければいけない』と言っている。これだけ勝てないことが続いて、代表のことも考えないといけない。一個人として今は、代表でとにかく勝ちたいと思っている」

 気がつけば代表でも年長者となり、招集メンバーでは出場試合数も最多となった。歴代でもカズを抜いてFW1位。カズの「抜き返す」という言葉に「光栄ですね」と受け止め「親のおかげ」と感謝しながら、年長選手がチームの中で力になる心得を意識した。

 「自分は途中出場でも先発でも使い勝手のいい選手というのがあるな、と。ザッケローニ監督のときは形があった。でも今は、相手によって戦い方も変える。守備的にいくときは、自分がサイドに入ったりすることもある。明確に役割を課してくれれば、生かされると思う」

 新体制初陣でも1号を決め、通算得点42点で単独3位を走る。その先には、またカズ(55点)の背中が見えている。それでもチームが勝つために守備も辞さない。明日31日のウズベキスタン戦では、センターFWで先発する可能性が高い。「チームに求められることをやっていく」。ロシアを目指す代表と一緒に、岡崎も変わっていく。【栗田成芳】