観光地だらけ? または、中立地だらけ? 国際サッカー連盟(FIFA)は9日、4月のFIFAランキングを発表した。これにより、14日にクアラルンプールで開催されるW杯ロシア大会アジア2次予選組み合わせ抽選会のポット(P)分けの見通しが立った。40カ国を5カ国8組に分け、首位8カ国と2位の成績上位4カ国の計12カ国が最終予選に進むが、ハリルジャパンは紛争に悩む国々との対戦が続く可能性も出てきた。

 中立地だらけか、または観光地だらけか…。どんな状況も想定できるW杯2次予選になりそうだ。ポット分けの正式発表は10日になる見通しだが、この日までにFIFAランクに基づき見通しが立った。日本は第1Pに入ることになるが、問題は残る4カ国だ。

 問題となるのは、内戦などの紛争を抱える国々と同組になった場合だ。基本的にアウェー戦は中立地開催が濃厚。抽選と同時にアウェー戦の開催地が決まらない可能性が出てくる。第2Pのシリア、第3Pのアフガニスタン、パレスチナ、第5Pのイエメンが、それに該当する。

 日本の対戦国4カ国中、3カ国が紛争を抱え、第4Pに北朝鮮が入る可能性も十分ある。例えば中立地開催が濃厚なシリア、アフガニスタン、イエメンに加え、北朝鮮というアウェー戦に気苦労がつきまとう組になってしまう。

 一方で、第3Pのモルディブ、タイ、第4Pの「ほほ笑みの国」ブータン、第5Pのグアムなどが同組となれば、アウェー戦が「観光地化」するケースも想定される。第2Pはくせ者だらけだけに、首位または2位の成績上位4カ国に入るためには油断は禁物だが、ピッチ外でもさまざまな状況を想定せざるを得ない。

 ハリルホジッチ監督はこの日も東京・JFAハウスでスタッフ会議を開催。抽選会が行われる14日は、同所でのJ1・J2実行委員会に出席してJクラブのトップにあいさつする予定だ。日本協会の霜田強化担当技術委員長は「対策は組み合わせが決まってから」と話していた。「魔物がすむ」W杯予選。まさかのドタバタもありそうだ。

 ◆W杯ロシア大会のアジア2次予選以降の方式 2次予選は40カ国を5カ国×8組に分けて行われる。各組の首位8カ国と、2位の成績上位4カ国の計12カ国が16年9月に始まる最終予選に進む。最終予選は6カ国×2組に分けて行われる。

 14年W杯ブラジル大会と同様にアジアに4・5枠が与えられれば、各組上位2カ国の計4カ国が自動的に出場権を獲得。3位同士がアジア・プレーオフを行い、勝者が0・5枠をかけた大陸間プレーオフに回る。また、最終予選進出の12カ国には19年アジア杯の出場権が自動的に与えられる。