17年U-17(17歳以下)W杯インド大会への出場を目指すU-15(15歳以下)日本代表は13日、インドネシア遠征へ出発した。バルセロナの下部組織を退団し、帰国したMF久保建英(13)も、13年8月以来となる日本での公の場に姿を現した。年上の選手ばかりのチームながら、リラックスした様子だった。現地で3試合の練習試合を行い、19日に帰国する。

 2年前150センチ足らずだった身長は、163センチまで伸びていた。久保は先輩に交じり、日本代表のグレーのジャージーに身を包んで空港に到着。チームメートと笑顔で話すなど、リラックスした様子だった。日本協会は同代表の年齢を考慮し、また特定の選手のみ注目される状況を作らないため、出発時の選手の取材対応は行わなかった。

 日本で久保が公の場に姿を現したのは、13年8月に都内で行われたU-12ジュニアサッカーワールドチャレンジ以来、1年8カ月ぶり。当時はバルセロナ下部組織の一員として来日し、優勝した。しかし昨年、バルセロナはFIFA(国際サッカー連盟)から、18歳未満の外国人選手獲得や登録に違反があったとされ、久保ら9選手は公式戦に出場できない状況が続いていた。そのため退団を決意し、今年3月末に帰国。今後の所属先については、川崎Fや東京の下部組織などが候補に挙がっている。

 同代表の目標は、17年のU-17W杯への出場だ。今年はチリで同W杯が開催されるが、日本は昨年のU-16アジア選手権準々決勝で韓国に0-2で敗れ、07年大会からの連続出場は4で途切れた。森山監督は、今後も久保と同い年の選手を招集する考えで「このチームに先輩、後輩はなくみんな仲間。ピッチで年齢は関係ないので、要求して、ぶつかり合ってほしい」と融合を期待していた。日の丸を背負い、スペインで磨いた技術を披露するときが来た。【保坂恭子】

 ◆久保建英(くぼ・たけふさ)2001年(平13)6月4日、川崎市生まれ。8歳の09年に川崎Fの下部組織のセレクションに合格。10年にはバルセロナスクール選抜の一員としてベルギーの大会でMVPを獲得。11年8月にバルセロナ下部組織の入団テストに合格。スペイン地元紙に「和製メッシ」と紹介された。12-13年シーズンにはリーグ戦30試合74ゴールで得点王。163センチ、52キロ。

 ◆退団の経緯 バルセロナは14年4月、基本的に未成年者の国際移籍を禁止している国際サッカー連盟(FIFA)から、18歳未満の外国人選手獲得、登録に違反があったと指摘された。異議申し立ては却下され、15年夏まで移籍市場からの締め出し、また違反に該当するとみなされた久保を含む9選手は、公式戦に出場できていなかった。久保は18歳になる19年まで公式戦の出場を認めないと現地で報じられていた。解決の糸口が見つからないことから、帰国を決断したもよう。