未来のために食って、走れ! 17年のU-17(17歳以下)W杯インド大会出場を目指すU-15日本代表は19日、インドネシア遠征から東京・羽田空港に帰国した。バルセロナの下部組織を退団することが濃厚なMF久保建英(たけふさ=13)は遠征最終日の18日、PPLTD体育学校戦(30分3本)の3本目の14分、自ら得たPKを決め、同代表での初得点を挙げた。

 久保は「初めて日本代表としてプレーして非常に勉強になり楽しかった」。技術とアイデアあふれるプレーで、17日のU-15インドネシア代表戦に続くPKゲット。前回は外したが、今回はきっちり成功した。

 一方で「圧倒的に走力が足りない」と個人的な課題も挙げた。ボールを細かく動かすバルセロナのスタイルよりも、代表は運動量を求められる。森山監督は「守備も全員で激しくいくことを求めているので、まだついていけないところもある」と説明を加えた。

 最年少メンバーを同監督は「コンタクトプレーではどうしてもはじき飛ばされる。鶏がらというか、手羽先というか、骨に肉がついていない。まだ声変わりもしてないくらいですから、仕方ない」と評した。「ボールを持てば、落ち着いているし、アイデアも素晴らしい。まずはメシを食えよと、大きくなれよと言いたい」と激励した。

 久保は「家に帰ったら、走り込みをして、90分間走りきれる体力をつけたい」と意気込んだ。「日本食を食べたい。たこ焼きとか、ラーメンとか」とも。育ち盛りの13歳。東京五輪での活躍が期待される有望株は、走るほどに、食べるほどに成長していく。【塩畑大輔】

 ◆退団の経緯 国際サッカー連盟(FIFA)は14年4月、バルセロナが18歳未満の外国人選手獲得・登録違反をしていると指摘。違反に該当するとみなされた9選手は、公式戦に出場できなくなった。久保についても「18歳になる19年まで公式戦の出場が認められない」とスペインで報じられていた。解決の糸口が見つからないことから、帰国を決断したもよう。今後の所属先として、川崎Fや東京の下部組織などが候補に挙がる。