【ドーハ9日=木下淳】カタール遠征中のU-22(22歳以下)日本代表は今日10日、U-22イエメン代表と国際親善試合(日本時間午後10時30分)を行う。13日のU-22ウズベキスタン戦と合わせた2試合が、来年1月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選に向けた最終テスト。U-20世代のMF関根貴大(20)FWオナイウ阿道(20)FW鎌田大地(19)ら若手アタッカー陣が、手倉森ジャパン初の国際試合で試される。

 20歳のMF関根とFWオナイウが、今日のU-22イエメン戦で先発することが濃厚となった。ともに前日練習で主力組の2列目に入り、手倉森監督から「関根」「阿道」とじかに声をかけられた。オナイウが状況に応じて2トップになり、縦パスのターゲットになる。関根が左サイドから連係で崩す。最終予選に向けた最後の突き上げに期待し、1カテゴリー下のU-20世代の融合を促した。指揮官は「この代表で国際試合をしていない選手を試す」と明言しており、19歳のFW鎌田も途中起用する方針だ。

 国内でも関根とオナイウが2回、鎌田が3回の練習試合を経験しただけ。昨年1月の手倉森ジャパン発足以降のメンバーと比べて圧倒的に出番が少ない分、最終予選に出場する2カ国との今回の国際試合で経験と結果の両方が求められる。予選会場ドーハでの実戦も3人とも初めて。短い時間で駆け込みを狙う鎌田は「今回が最後のアピールチャンス。どれだけできるか確かめたい」と燃えた。

 アジアの経験はオナイウが昨秋のU-19選手権ミャンマー大会、鎌田がG大阪ジュニアユース時代の韓国と鳥栖でのタイ遠征だけ。最も経験ある関根でも浦和でのACLとU-19代表時代のミャンマーとUAE遠征くらいだ。その中で関根は「浦和と代表では役割が違う。攻撃は自由にやらせてもらえるので得点を狙いたい」と言い、オナイウも「ここで結果を出せば生き残れる」とピッチに集中する。FW鈴木らアジアで数十試合の経験がある年長者に3人が食い込めるか、がイエメン戦の焦点となる。