日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(63)が30日、9月に始まるW杯アジア最終予選で宿敵韓国との対戦が避けられる見込みとなったことを歓迎した。5-0で快勝したシリア戦(29日、埼玉)で同2次予選が終了し、最終予選進出12カ国が決定。日本は韓国と同じ第2シード(ポット)で最終予選の日韓戦回避が確実になった。一方、独特の表現で最終予選の厳しさも警戒した。組み合わせ抽選は4月12日に行われる。

 ハリルホジッチ監督が、日韓戦回避を喜んだ。シリア戦後も深夜までコーチ陣と話し込み、帰宅した後も映像を見直して課題を分析。仕事が大好きな指揮官に追い風だ。「韓国を避けられることはいいこと。韓国は最近また進化している。多くの選手が欧州でプレーし、とても強い。避けられてうれしいのは正直なところだ」と素直に言った。

 隣国の最大のライバルとは、互いに欧州組不在だった昨年8月の東アジア杯で対戦し、1-1で引き分けた。その後もチェックしていたようで「アウクスブルクでハットトリックをした選手もいる」。5日レーバークーゼン戦で3点取ったFW具滋哲に触れるなど、警戒していたことをうかがわせた。

 「ただ、誤解してほしくない。強いチームは韓国以外にもたくさんある。最終予選は銀座で散歩をするような気楽なもの、気楽な挑戦ではない。厳しい道のりが待っている」

 こう警鐘を鳴らすと、シリア戦を振り返りながら最終予選を勝ち抜くポイントにも言及。「我々は15回は決定機を作ったが(得点の)効率が悪い。強豪国相手に15回のチャンスは作れない。ご存じの通り、W杯では2回のビッグチャンスがあれば多い方。そこを必ず決めなければならない」。厳しい口調で続けた。

 休む間もなくスペインに飛び、伝統の一戦クラシコを解説して、とんぼ返りする強行軍。大好きなバルセロナをその目に焼き付け、新たな発想を得て最終予選に向かう。【八反誠】

 ◆W杯アジア最終予選の組み合わせ抽選 4月12日にクアラルンプールで開催される。2次予選各組1位の8チームと各組2位の成績上位4チームの計12チームを、同7日に発表されるFIFAランクで上位から順に2チームずつ第1~6シードに分けて抽選。6カ国ずつ2組に分けられる。同じシードのチームは同組には入らない。