U-23(23歳以下)日本代表がリオデジャネイロ五輪で活用する、24歳以上のオーバーエージ(OA)枠の有力候補に浦和FW興梠慎三(29)が挙がっていることが20日、分かった。日本協会関係者によると、既に打診が判明した川崎FのFW大久保嘉人(33)と並ぶリストの最上位に名前があるという。

 浦和のエース興梠は昨季まで4年連続2ケタ得点を記録。今季もJ1得点ランクで大久保に次ぐ日本人2位タイの6得点を挙げている。手倉森監督は11日のガーナ戦後、OA枠で補強するポジションについて「けがが相次いでいる中列(攻撃的MF)サイドバック(SB)あとは前線に収まりがほしい」と、ポストプレーに優れたFWが候補と明言。興梠は合致する。

 だが、最大でJ1第2ステージの5試合を欠場する必要がある五輪出場には、本人とクラブの理解が必要。決勝トーナメントに進んでいるACLで準々決勝に進めば、五輪決勝3日後の8月23日に第1戦があるため協会とクラブの交渉は簡単ではないとみられる。

 OA候補については、リストから絞り込む判断材料を集めている段階。FWは大久保、興梠、大迫、MFは清武、SBは長友、藤春のリストアップが表面化。川崎FのDF奈良の骨折を受けてセンターバックができる塩谷、昌子、丸山らの名が挙がっている。6月10日のJOC(日本オリンピック委員会)の派遣手続きの締め切りに向け、今日21日にパラグアイとの初戦を迎えるトゥーロン国際(フランス)で補強箇所を見極める。

 ◆興梠慎三(こうろき・しんぞう)1986年(昭61)7月31日、宮崎県生まれ。鵬翔高から05年に鹿島入団。08年から先発に定着し、同年10月のUAE戦で日本代表デビュー。13年に浦和に移籍。1トップとして開花し、15年にはハリルホジッチ監督に評価されて4年ぶり代表復帰。国際Aマッチ16試合無得点。175センチ、72キロ。血液型O。家族は夫人と1女。