日本サッカー協会は20日、6月の米国遠征に臨む女子日本代表「なでしこジャパン」のメンバー20人を発表した。同2、5日の米国代表との国際親善試合が初陣の高倉麻子監督(48)はベテランの川澄、大野らを外して5人を初招集し、平均年齢はリオデジャネイロ五輪アジア最終予選時の27・1歳から24歳に若返った。背番号10はFW大儀見からMF阪口に変更となるなど“高倉色”を印象付けた。

 発表されたメンバーには見慣れない名前が並んだ。MF中里ら5人が初招集で全員が20代。今年2~3月のリオデジャネイロ五輪アジア最終予選から10人が入れ替わり、平均年齢は3・1歳若返った。MF宮間は辞退し、前体制の主力だったDF鮫島、FW川澄、FW大野らは外れた。高倉監督は「未来に向かって進んでいることも確か。最近見ている中で少しでも進歩、伸びている要素が見える選手を選んだ」と説明した。

 象徴の背番号10も変わった。五輪最終予選で、佐々木前監督から澤さんの後継者として「東京五輪まで背負って欲しい」と託されたFW大儀見は高倉体制初陣で「9」に変更となった。MF阪口が「10」を背負う。高倉監督は阪口について「日本の中でレベルは最高峰。自覚を持って代表を引っ張ってほしい」と言い、大儀見に対して「点を取ることにこだわりを」と役割を明確にした。再出発への強い意思がにじむ変更となった。

 代表に招集する基準は「テクニックがありクレバー」「走力」「チームのために戦える」「代表への思いが強い」の4点。「1年後、このメンバーが半分残っているか分からない」と、積極的な選手の入れ替えを明言し「いつでも扉を開いている。上がってくる選手を待ってます」と話した。

 19年W杯フランス大会、20年東京五輪を見据えた世代交代に着手。どん底に落ちた「なでしこジャパン」をよみがえらせる高倉改革が始まった。【上田悠太】

<今回の初招集メンバー>

 ◆GK池田咲紀子(23=浦和)

 フィードの正確性は随一で、プレーに安定感がある。趣味はお菓子作り。

 ◆DF佐々木繭(23=仙台)

 MF登録だがリーグ戦は主に左SB。テクニックに優れる。勤務先はみやぎ生活協同組合。

 ◆MF千葉園子(22=ASハリマ)

 昨季は2部で13得点。身体能力が高く、ヘディングが得意。趣味はゴルフ、特技は縄跳び。

 ◆MF高木ひかり(23=ノジマステラ)

 正確な判断力で状況を打開でき、ボール奪取力にもたける。ニックネームは「ぶー」。

 ◆MF中里優(21=日テレ)

 豊富な運動量が武器。予測能力に優れ、こぼれ球を拾える。好きな本はドラえもん。