リオデジャネイロ五輪の代表に選出された広島FW浅野拓磨(21)が、1試合1得点をノルマに日本を金メダルに導く。日本協会は1日、24歳以上のオーバーエージ(OA)3選手を含む五輪代表18人を発表。広島市内で会見した浅野は、決勝までの6試合で「(得点時の)ジャガーポーズを6回する」と宣言。アーセナルを含む3クラブからオファーが届いたことも判明し、五輪から欧州へと羽ばたく。

 思わず漏らした言葉こそが、五輪への決意表明だった。広島市内のホテルで盛大に開かれた会見が終わり、記念撮影していた時だ。得点時に披露する得意のゴールパフォーマンスのポーズを取っていた浅野がつぶやいた。

 「このジャガーポーズは6回したいですね。勝ち越しゴールの時にやれば(決勝まで)6試合で6回。6勝すれば、優勝できる」

 堂々の金メダル宣言だ。会見中は「チームとしてはメダルが目標」と語り、得点数を問われても「(得点)回数は明確には言えないですけれど、できるだけ…」など謙虚な発言に終始。だが、質疑応答の緊張感から解き放たれると、優勝への思いがあふれ出た。日本は68年メキシコ大会の銅メダルが最高。近年は04年アテネ、08年北京大会と1次リーグで敗退し、12年ロンドン大会で4強進出。金メダルなら歴史的快挙になる。

 「五輪を終えて帰ってきた時に、日本国民全員が笑顔になれるように頑張りたい。僕らは期待されなかった世代。逆にそれを闘争心にしてきたし、失うものはない。楽しんでやって結果がついてくれば最高です」

 “世界一”を手土産に、欧州へ羽ばたく考えだ。昨季プレミア2位のアーセナルを含めドイツのアウクスブルク、オーストリアのザルツブルクの計3クラブから正式オファーが届いたことが判明。今夏のアーセナル移籍が有力視される中、広島の織田秀和社長は「オファーは3つ。クラブとしては残って欲しいが、これから本人としっかり話し合いたい」と明言した。

 早ければリオ出発前にも移籍が正式決定する可能性もある。浅野も「もし海外でプレーすることになっても驚くことなくできるよう(五輪)代表でしっかりやりたい」と言い切る。日本のスピードスターが世界を驚かせる時が来た。【益子浩一】