【バンコク4日】窮地に陥った日本代表バヒド・ハリルホジッチ監督(64)が、FW浅野拓磨(21=シュツットガルト)を大抜てきする可能性が出てきた。関係者によると、明日6日のW杯アジア最終予選タイ戦に向けた練習で、FW岡崎を外して1トップをテストした模様。初戦のUAE戦を1-2で落とした指揮官が、大胆采配に出る。

 ハリルがジャガーで勝負に出る。関係者によると、ハリルホジッチ監督がFW浅野の起用をテストしたことが明らかになった。UAE戦をFW本田の1点のみに終わり、勝ち点を取りこぼした攻撃陣のテコ入れを敢行した模様。UAE戦後の会見で、同監督は「選手のチョイスは監督の責任」と話していた通り、FW岡崎を外す大胆な入れ替えも視野に入れながら、タイ戦に向けて備えた。

 連敗は絶対に許されない状況下で、何も動かないわけにはいかない。UAE戦で浅野を含め、交代カードとして起用したFW原口、宇佐美のほか、ボランチには山口を起用する可能性がある。非公開での練習を終えた同監督は、涼しい顔をしながら引き揚げ移動バスに乗り込んだ。その表情の裏では、現地で初めての実戦形式のメニューを行い、大抜てきまで考えていた。

 期待を受ける浅野は、世代別代表を含めるとタイとは3度目の対戦。特徴を熟知した上で「ポジションは前(1トップ)の方が(スピードという)特徴が生きる。裏への飛び出しが分かりやすくできる」とイメージはできている。UAE戦で後半21分から起用され、同32分に放った左足ボレーがゴールラインを割りながら“誤審”に泣かされた幻のゴールを取り返す覚悟だ。

 チームミーティングでも同監督は「あれはゴールだ」という“判定”を主審に代わって伝えているという。大胆なタクトを振り、日本に初勝利をもたらす「ジャガーポーズ」に期待を込めた。