【バンコク5日】FW本田圭佑(30=ACミラン)が、苦境に立たされた日本を救う。日本代表は今日6日のW杯アジア最終予選タイ戦に向け、試合会場で公式練習に臨んだ。公開された冒頭15分のウオーミングアップで、本田は集団の最後尾を黙々と走った。談笑する選手はいない。静寂のスタジアムに選手が走るかすかな音が響いた。

 出場したW杯予選では、昨年9月3日カンボジア戦から7戦連発。黒星を喫した1日UAE戦も唯一のゴールを挙げた。この日は取材対応はなく無言だったが、3日の取材では「(最終予選の)初戦を負けたら(W杯出場の)歴史がないと聞いたら逆に燃える。それだけ難しいということでしょうけれど結果で示す」とキッパリ。狙うはW杯予選8戦連発での勝利だ。

 バンコクの大渋滞をくぐり抜けて宿舎から会場入り。前日4日はポイント取り換え式のスパイクを履いたが、この日は固定式を試着。慣れないピッチに順応しようと足元に気を配った。10年W杯1次リーグ・カメルーン戦、W杯出場を決めた13年6月4日の最終予選オーストラリア戦など、国際Aマッチで黒星を喫した次の試合で、本田は印象的な得点を決めている。再び日本を救うのが、エースの任務になる。【益子浩一】