サッカー女子日本代表候補は7日、東京近郊での4日間の強化合宿を打ち上げた。リーグ中断期間を利用した合宿では、パスやポジショニングの精度を重点的に確認した。高倉麻子監督(48)は「モチベーションを保つのが難しかった中でも前向きに取り組んでくれた」と振り返った。その高倉監督は自ら、日本代表のプライドを選手に示していた。

 6日夜、男子日本代表のW杯アジア最終予選タイ戦を選手、スタッフと宿舎で観戦。その試合開始前に突然、立ち上がって胸に手を当て、そして1人で「君が代」を熱唱した。「私だけ歌ってました。『(歌って)当たり前だ』って言ったんだけど、みんな歌ってくれなくて…」と少し残念そうに回想。周囲はあぜんとなった後、笑い声が起こったという。「『笑い事じゃねぇ』と言ったんです。絶対負けられないんですから」と苦笑いだった。

 常々、代表選手の条件に「代表に懸ける思い」を挙げているが、それを体現した格好だ。指揮官の体を張った姿に選手も刺激を受けたようで、高倉監督体制以降、毎回代表に呼ばれているMF千葉は「雰囲気もよく充実した合宿でした」と日の丸への思いを強めた。

 なお次回の代表チームの活動は、12月の静岡県内で国内組合宿となる予定。【上田悠太】