日本サッカー協会は16日、W杯アジア最終予選B組のUAE戦(23日、アウェー)とタイ戦(28日、ホーム)に向けた日本代表25人を発表。ガンバ大阪MF今野泰幸(34)が2年ぶりに日本代表に復帰した。定評ある守備力に加え、今季は攻撃的MFで起用されて得点への意識が増した。経験値も買われ、ハリルホジッチ監督の初陣だった15年3月以来の招集。34歳2カ月での選出は約2年間のハリルジャパンで最年長となった。

 頼れる男が戻ってきた。MF今野にとって2年ぶりの代表舞台。W杯最終予選で大一番となる敵地のUAE戦、本拠でのタイ戦に34歳の経験値が求められた。ハリルホジッチ監督はメンバー発表会見で「今野は状態が良さそうに見えた。プラス経験値が高い。次の試合は経験値が必要。最近は若い選手を何人か呼んだが精神面で準備できていないと感じた」と説明した。

 10、14年の2大会連続でW杯に出場。A代表通算87試合2得点を誇る。ハリル体制でも初陣と国内組合宿には招集されていたが、15年6月から始まったW杯予選では選出されなかった。当時、G大阪の強化部長から落選を伝えられた際には「仕方ない。もう1度呼ばれるようにやるしかない」と自らを奮い立たせていた。2年の時を経ての再選出に「しっかり練習して、少しでもチームの力になれるように頑張る」と語気を強めた。

 今季はG大阪で左MFを務める。長谷川監督からは「得点に絡め」と課題を与えられ、公式戦7試合で2得点。これまでのボランチで磨いた守備力に加え、攻撃面でプレーの幅が広がった。「めっちゃ楽しいよ。自分が成長している感じがして」と新たな挑戦に前向きに取り組むベテランが、積み重ねてきた力を日本のために発揮する時が来た。【小杉舞】